父として親として男として 三十と一夜の短篇代55回
白川津 中々
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タイトル未設定
2021年11月7日更新
どうして俺だけが。
などという恥知らずな愚痴が溢れてしまうわけだが寛大な心でどうかご容赦願いたい。
冴子を引き取り二年。日に日に生意気が盛り屁理屈が上達するようになって手に負えなくなる。おまけに何やらいつも不機嫌だし、作った料理も不味そうに食べるし、最近では口もろくにきいてくれない。男親一人で娘を育てるとはかくも大変なものかと悩むも誰彼に相談する事もできず。ただこうしてブログに書き捨てる他なく、文にして鬱々とした心気を一時的に発散するばかりである。
しかし何が気に入らないのか。この前も授業参観に行ったら帰れと言われるし、車で送ってやると言えばタクシーで行くというし、そんな金があるかと聞けば小さく何か呟くだけだし、ともかく理不尽。理解不能。今思えば絵里もそんな風によく俺を馬鹿にしていた。凶悪なヒステリックは母親譲りという事だろうか。別れてなおあの女の影に頭を抱えなければならないとは酷い話で、まったくとんでもない不孝ではないか。これならわざわざ引き取らぬ方がよかった。俺に何のメリットもなかった。親心で面倒を見てやっているというのに仇ばかりが返ってくる。子供なんぞ作るもんじゃない。後悔しかない。そもそも俺は堕胎しろと言ったのに、あの女が責任を取れもしないくせに産むからこんな事になったんだ。あいつとあいつの子供のせいで俺の人生が滅茶苦茶だ。許せない。絶対に許せない。そういえば思い出した。あの女ども、俺が金の事で文句を言うと決まって「小さい男」と誹るのだ。ふざけるな! 誰の金だ! 誰が稼いできたんだ! 俺の金を好き勝手に使いやがって! 許せない! 許せない! 許せない! この上は母子共々犯し食し殺しゆっくりと咀嚼してケツから出てきた肉片をゴキブリの餌にしてやる! 生前死後全てにおいて命を侮辱し尊厳を踏みにじってやるのだ! 想像するだけで勃起が止まらない! やるぞ! やるぞ! 俺はやるぞ!
タイトル未設定
2021年11月7日更新
やったやったやったやったやったやったやったやったやった俺は小さくない俺は小さくない俺は小さくない俺は小さくない俺は小さくない俺は小さくない俺は小さくない俺は小さくない
父として親として男として 三十と一夜の短篇代55回 白川津 中々 @taka1212384
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