202011 ジャパロボ チーム祐奈3-5
渋谷かな
第1話 チーム祐奈3-5
「こんな状況でも寝ているとは!? 私を舐めているのか!? それとも寝ていても私に勝てると余裕があるのか!?」
テロリストと告白しても眠り続ける祐奈に、みなみはプレッシャーを感じていた。
「zzz・・・・・・もう飲めません・・・・・・え!? つまみだしてくれるの・・・・・・すまんな大将・・・・・・ジュルジュル・・・・・・zzz。」
いつでも、どこでも、誰とでも眠れる快眠祐奈。
「本当に、こんな涎を垂らして寝言を言って寝ている女が、世界を恐怖に追いやった日本の地獄魔女なのか!?」
みなみは大日本帝国の世界征服は祐奈によって行われたと思っている。
「違うわよ。」
「なに!?」
「祐奈教官は寝ていただけよ。」
寝ていただけ。それが汚れない祐奈が眠り姫といわれる所以である。
「なんだと!?」
「大日本帝国による、ジャパロボ世界大戦が行われた時に使われたのは、祐奈教官の戦闘データよ!」
今明かされる衝撃の事実。
「戦闘データ!?」
「第2回全国ジャパロボ大会までの祐奈教官の戦闘データをコピーして、量産したジャパロボに搭載したのよ。だから全世界に祐奈教官並みの戦闘ができるジャパロボが大量に投入されたのよ。だから1週間で大日本帝国は全世界を支配することができたのよ!」
第3回全国ジャパロボ大会の開催に合わせて世間の注目を集め世界中の人々を油断させ、大会の開始と共に大日本帝国は世界に侵略戦争を仕掛けたのだった。
「祐奈教官は第3回ジャパロボ大会に出場していた! だから祐奈教官は悪くありません!」
「そ、そんな!? それでは私は何の罪もない、この人を恨み続けていたというのか!?」
眠り姫、祐奈。ジャパロボ界の生きる伝説。ジャパロボに関心のある者なら知らない者はいない憧れの存在。みなみも平和に生きている時は祐奈に憧れていた。しかし立場が悪くなり、テロリストになると自分の不幸は祐奈のせいだと、憧れは復讐のターゲットになっていた。
「あなたの誤解なんて優しいものよ。」
「なんだと!?」
「平和な世界を我が物にしようと世界戦争を仕掛けたのが誰だと思う?」
「なに!?」
「当時の防衛省ジャパロボ大臣、現大日本帝国の国王、森田皇帝よ。」
「大日本帝国の皇帝の名前ぐらい私だって知っている!」
「森田皇帝って、祐奈教官のお父さんなのよ。」
今明かされる祐奈の悲劇。
「バカな!? それでは父親が世界を欲するために娘のデータを培養して、世界を火の海にしたというのか!?」
「そうよ。知らない間に自分が世界中の人々を虐殺していたことを知った祐奈教官の悲しみは、自分勝手にテロ行為を行っているあなたには分からないでしょうね。」
「zzz。」
寝ている祐奈も涙を流す。
つづく。
202011 ジャパロボ チーム祐奈3-5 渋谷かな @yahoogle
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。