第2話大人にならねば

二十歳を少し過ぎた頃、敦美から久しぶりに電話がきた。

「剛、結婚したよ!」

驚きのあまり、息が止まりそうだった。

「桃も、いつまでも剛のこと引きずってないで彼氏でも作ったら?」

敦美に言われた。頭では分かっていても心がなかなか追いつかない。でも、私も早く前を向かなくては。


それから、友達の紹介で何人かと付き合った。でも、相手と手を繋ぐといつも思う事は一緒だった。「この手じゃない。剛の手はもっと大きくて優しくて暖かかった」と。





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忘れられない思い出 すもも @tomosana

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