202011 ジャパロボ チーム祐奈3-2

渋谷かな

第1話 チーム祐奈3-2

「郵便です。」

「ご苦労様です。」

 反大日本帝国同盟ジャパカイダの本部に郵便屋さんが来た。

「あ、みなみ様宛だ。みなみ様、郵便ですよ。」

「ありがとう。」

 リーダーのみなみが郵便物を受け取る。

「誰からだろう? ん? んん!? キター!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 大声を出して顔色を変えるみなみ。

「どうしたんですか!? みなみ様!?」

「ゴキブリめ! 成敗してやる!」

「事件ですか!? 事故ですか!?」

 みなみの悲鳴を聞いて敦子、まゆ、由紀が駆けつける。

「騒がしい! 落ち着け! かまいたち!」

「よく言いますね。一番落ち着いてないのはみなみ様じゃないですか。」

「アハッ!」

 笑って誤魔化すみなみ。

「これを見ろ!」

 郵便物を敦子たちに見せるみなみ。

「面接の日程の通知ですね。アルバイトでもするんですか? みなみ様。」

「あのな。宛先を見ろ、宛先を。」

 まゆは郵便物の宛先を見る。

「大日本帝国防衛省自衛隊所属チーム祐奈!?」

「なにー!?」

 敦子たちは天地がひっくり返るほどぶったまげる。

「なぜ!? 敵の本拠地から返信が!?」 

「しかも書類選考を合格している!?」

「ええーい!? 自衛隊は頭のおかしい奴の集まりなのか!?」

 由紀たちは理解に苦しむ。

「これは罠だ。」

「罠!?」

「そうだ。私たちジャパカイダを壊滅しようと誘いだす罠に違いない。」

「さすが、みなみ様。相手の策略に気づくなんてカッコイイ。」

「それほどでも。」

 祐奈が面白半分で書類選考を通過させただけだが、みなみは、それを罠と受け取るのが面白い。相手の罠にかかったフリをしてやろうじゃないか。敦子、まゆ、由紀。おまえたちは面接会場の周囲でジャパロボに乗って待機。いつでも私を助けられるように準備しておけ。」

「了解です。」

 こうして面接当日のスケジュールも決まった。

「みなみ様。来ますかね? 広瀬祐奈は。」

「世界中に侵略戦争を仕掛け、何の罪もない人々を蹂躙した大日本帝国のエースパイロット、広瀬祐奈。こいつだけは絶対に許せない! 私が世界中の人々の悲しみと恨みを私が拭い去ってみせる!」

 祐奈は大日本帝国に侵略された国々から憎しみの象徴として恨まれていた。

「それに来なくても、恐らくはチーム祐奈の隊員だろう。捕まえて捕虜にすれば私たちは優位に立てる。」

「さすが、みなみ様。恐らく隊長なので広瀬祐奈が来なかった時のことまで考えているんですね。実に素晴らしいです。」

「戦いとは二手三手先のことまで考えておくのだよ。ワッハッハー!」

 そしてチーム祐奈とみなみは面接の日を迎えるのだった。

「広瀬祐奈、殺す!」

 殺意の溢れるみなみであった。

 つづく。

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