第3話 帰宅
目的地に着陸した後は歩き続ける。只管、或いは黙々と。
以前と変わらないカラーの電車を利用して帰住先最寄りの駅へ向かう。電車内で本を読むのはいつ以来だろうか、などと思ったのは僅かな時間で、道中に購入した新井素子著の文庫に没入。
程なく最寄り駅に到着したのだが、身元引受人は仕事中のためインターネットカフェで時間の経過を待つことに。
定時を過ぎた頃に店を出て、駅構内にある公衆電話で到着を報告。
車で迎えに来た身元引受人。凡そ四年振りに再会したのだが、やさしい笑顔は以前と変わらず安堵した。
ただ、歯が少なくなっていたのは予想外ではあった。
社会に適応できなくて 長月夕 @0376
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