第2話 空港

 初めて利用する空港は思いのほか広く、特産品などを販売する店舗に意識が奪われる。しかし、チケット購入が最優先と感じていたので何も買わなかった。


 無事に購入できたそれは4万円弱で、作業報奨金の殆どが手元を離れていってしまった。

 

 ※ 囚人は皆10等工から始まり一定期間を経て昇等する。

 ※ 10等工で1時間作業をすると7円強。



 搭乗まで1時間程あった為、少し早い昼食を摂るべく空港内を歩き回った。


 最初に見つけた蕎麦屋で数年振りに天ざるを食したのだが、特に美味しいとは感じなかった。意識してはいなかったが緊張していたのかもしれない。


 その後の搭乗手続きは何事もなかったが、指定された私の席には年配の男性が座っていた。

 乗務員に話して移動してもらい無事に着席。離陸後はラジオを聴きながら雲海に見入る。


 帰住地への到着時間は未だ定かならず。

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