僕と花宮さん

 待ち合わせ場所に現れた花宮さんは膝丈のスカートをふわりと揺らした。



「おはよ、花宮さん」


「ヒロくんはいつになったら美咲って呼んでくれるの?」



 頬を膨らましてそう言う彼女の手を取って、今度ねとごまかす。



「そういえば今日はプレゼントがあるんだけど」


「え、なになに」



 きっと喜ぶよ。とだけ言うと花宮さんはふうんと指を絡めた。


 ここに来る前に画材屋さんに寄ってきたんだ。とっておきのスイーツを買いに。


 彼女の可愛らしい反応を想像して、思わず笑みがこぼれた。

 

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僕と花宮さん 入江弥彦 @ir__yahiko_

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