ロケット商会謹製☆大馬鹿野郎フルスイング人間讃歌☆

野球でボールをより遠く飛ばすコツとして、
ボールの少し先を振りぬくイメージでといわれることがあります。

振りぬくイメージで、と言われてもアレなのでもう少し具体的に『飛ばし屋』要素としてこの作品に思ったことを少々。

まず、第一に体重移動。
会心音を生み出す根源は上半身ではなく下半身。鍛えた足腰、基礎力がモノをいう。
足を高く上げる動作は最たるもので、この動作が、より洗練されたもので
あればあるほど、体重移動の”流れ”を生み、球に自らの”重さ”をのせることができるわけです。場面転換と踏み込みの上手さ。流石です。

次にスイング。これは少しアッパースイングで掬い上げるように(具体的には芯の9㎜下)
投げられたボールはまっすぐ進んでいるように見えて重力の影響で徐々に
沈んでいきます。
それにベストフィットするには←ではなく、↘に対応して↖の角度を保つのが合理的です。
魔王現象下という下降線下、徐々に悪化するその状況の中、それに引きづられることなく
状況状況で改善活路を見出そうと少しだけ上向きの視点の主人公と重なります。
(そして何某理由をつけて”救い”上げようとする上昇気風)
キャラの個性と役割、立ち向かうべき環境が非常にマッチしてます。

技術。スピン
打ち出す球に回転をかけることで浮力を生み、ボールはより高く遠くへと運ばれます。
切れのある台詞とノルかソルかイチかバチかの戦術。これが嵌った時に観客(読者)は
「打った瞬間わかる」または「スタンドに入った瞬間」の爽快感に喝采とガッツポーズを決めるわけです。
本塁打はやはり花。時々珍プレーも混じるけどそれも又べすぼーの醍醐味。

最後に日々の鍛錬。欠かさぬ鍛錬
―毎日更新!!―毎日更新!!!言わずもがな毎日更新!!

何より個性的で遠慮皆無なキャラたちがおりなす『振り切った』面白さ!

つまり作家ロケット商会の作風は完全にホームランバッターであり、その貫禄は
王か松井か大豊かという名選手ぶりであると思う訳なのです。
まさにMrフルスイング!
  そしてMrダンゲロスSS! 
       流石ロケットさんだぜ!  勇者刑サイコー!イェイ!イェイ!!

以上。一ファンの戯言でした。

あと、作品としては珪素さんの「異修羅」と対比してみる見方も面白いかもしれません。
『異修羅』が勇者と呼ばれうる者は「本物の魔王を倒した者」であり、それこそが唯一人の「本当の勇者」であると定義し、そこに基づく物語なのに対して、
本作は「勇者たち」の物語であり、その軌跡を描いた作品になっているからです。

両作家の、勇者とは何であるか、どうあるものが勇者なのかのそれぞれの視点、切り口、解釈が垣間見られるわけです。わくわくしますね。

とまれ
人類9回裏二死満塁、バッター、ピンチヒッターザイロ。次の一球の行方をかたずをのんで見守っています。

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