RADの師匠

アキベヤはRADに連れられ、広い森に来ていた

奇妙に折れ曲がった草木をかき分け

奥に進む途中。RADはこの森についての事を話してくれた

「ここはマスの森。

神域領外で

数多くの奇妙な魔物が住むことで知られている」

RADは感情深く森の木を撫でたあと

「ここに私の恐ろしい師匠が住んでいる」

と言った

「今でも思い出すたびに微かに震えるよ」

RADの言葉に

「そんな恐ろしい人に会いにいくんですか!?」

緊張感のあまり敬語になるアキベヤを余所見に

RADはどんどんと森の奥に進んでいく

やがて二人は奇妙な草木を越えると

ただ広い円形の遺跡のような場所に辿り着いた。

「お婆婆。お婆婆居るんでしょ出てきて」

森全体にシーンとした静寂が流れていた後

遺跡の古ぼけた扉からひとりの老婆が出てきた。

「その声はRADかい、、」

掠れた声

今にも倒れそうな骨と皮を張り付かせた様な体に

薄汚れた服を纏う老婆

(この人が、、RADが恐れる師匠?)

RADが今でも微かに震えるほどの恐ろしい師匠にはアキベヤはとても思えなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アキベヤRAD 土川琉 @Tutikawa

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ