エコーのかかる愚痴(140字小説)

塩塩塩

エコーのかかる愚痴

男はランニングしていたが、その後を男の残像達が追いかけた。

男が上司の愚痴を呟きながら走ると、残像達も同様に呟いたのでエコーがかかる要領で愚痴は上手く聴こえた。

上手い愚痴とは即ち、酷い愚痴である。

男は「役立たず」と呟いたが、エコーのせいで「ブチ殺す」と叫んだも同然に町に響いていた。

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