ブラッドベリ短編集「刺青の男」の中に見つけた意味。

高柳孝吉

星は流れて、何処にゆくのか。

萩尾望都の傑作SF漫画「11人いる!」に続いてブラッドベリの短編SF小説「万華鏡」を読んだ。死は平等に訪れるといわれるが、ブラッドベリはその考え方に一石を投じている、既に1世紀近く以前に創られた作品の中で、だ。ーそれまで生きて来た過程の中で、死の意味は人の数だけ違って来る。ーしかし、そんな゛新しい゛価値観以上に、この作品には素晴らしいロマンチカが宝石のようにちりばめられている。あまりにも有名なラストシーン、知ってはいたが、やられた。まさかちょうど読んでいた、刺青の男が見せる夢の話の連作集の中に収められていて、この作品に今更ながら出逢えるとは、全く予期していなかった事だった。ーこのラストシーンは、゛石森゛章太郎が「サイボーグ009」の中で引用している。宇宙での宇宙船の爆発から始まるこの物語は、さるアメリカの田舎道の少年とお母さんの台詞で静かに叙情的に余韻を残して幕を閉じる。

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ブラッドベリ短編集「刺青の男」の中に見つけた意味。 高柳孝吉 @1968125takeshi

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