10
そんなこんなで皆が頑張ったから、僕達は裏方からひっそりと兵士さん達をバックアップできるようになっていった。
すると、最初は押され気味だった兵士さん達はみるみるうちに元気になって、ジャシン・デスダークを圧倒し始めた。
デスダークはだんだん弱っていって、完全封印まであと一歩という所までいった。
けれど、封印するためには、巨大な谷に落とさなければならない。
なのに、デスダークは巨大だった。
追い詰められたデスダークは、自分をまきこんでジバク技を放とうとする。
ジバクするとデスダークは一度死んでしまうけれど、長い年月をかけて復活してしまうらしい。
もはやこれまでか、と僕達がそう思ったとき、王宮がある方向からたくさんの鳩たちが飛んでくるのを見た。
空すらも見えなくなるような、真っ白な鳩の大群だった。
小屋掃除での経験を生かして僕達はその鳩を操って、いい気になってるデスダークを翻弄して谷に落とした。
結果、邪神は封印されて、その世界には平和が訪れた。
やってきた鳩たちは、国民達みんなの鳩らしい。
国王様が国民達を説得して、ノルドさんが召喚魔法でここに鳩たちをおくってくれたらしい。
勇者召喚失敗組である僕達が前線で戦っている事を知った人達が、僕達を助けるために鳩を貸してくれたのだ。
回復中だったノルドさんは、新しい勇者を召喚するのではなく、僕達を助けるために力を使ってくれたみたいだ。
世界の危機を救うのは一人の選ばれた人間ではない、
この世界にいる人達、一人一人の力が必要だったのだ。
ジャシン・デスダークを倒した後、この世界の人たちは、僕達を歴史の中で最も英雄的でなかった英雄として僕達をほめてくれた。
その数年後、元の世界に帰るための魔法が開発されて、僕達が帰る時には、多くの人たちが見送ってくれた。
外れ勇者のよせあつめ 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます