そして最後に残したかったモノたち


 僕は今、また会社や家族に嘘を付いた。


 もう二度と勝手な事をしない。世界の歯車として生きていく事に不満を言わない。


 でも、今僕は明日も、明後日も、一週間後も、一ヶ月後も、半年後も、来年も、再来年も、今も、この瞬間も“生きたい”、“死にたくない”。


 だから、全てを、好きだったモノを捨てて、今を生きる為に必要なモノを持って、世界を旅しようとしている。


 世界は厳しくて、辛い現実が九割だ。


 でも、世界の一割を皆、見つけて生活している。

 似たモノ同士で集まって、大変だけど楽しく生きている。


 僕はまだ一人だけど、探そうと思う。


 だって、世界はこんなにも広いのだから。僕の居場所があっても、不思議ではない。


 誰も居ない海を渡って、何も無い砂漠を歩いて、誰のモノでも無い氷の平原を彷徨うのも人生だ。


 死ぬ事が、人間の答えではない。


 無理に生きることも正論でもない。


 あるのは「我」や「自分」をどう世界に認められるように表現するかだ。

 理解されるのは難しいだろう。


 読まれる事も無ければ、振り向いてくれることも無い。

 ただ、傷跡だけは、刻んでいく。


 こんな世界を一人で走るのは、大きすぎる。

 今も寒い夜空の下で星空が永遠に広がっている。

 この世界には、この星空よりも輝く光がある。


 太陽が昇っても、星空と違って、燃えている。

 照らされるだけで無く、自ら光っている。


 そんな人間を僕はいつもこの見えない目で想像して、聞こえない耳で感じている。


 伝えたい思いを相手に理解する事が出来ないなら、僕はその人間に優しく接する。


 この世界はそんな人間で満ちあふれれば、世界はどう変化するだろう。


 変わらないのだろうか? 変わろうとするのか? 足踏みをするのか?


 それは世界ではなく、人間一個人から出来る事なのだ。

 人で無い私達には出来ない事は、あなた達なら変えることが出来る。

 だから、世界よ。人間に応えてくれ。


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人でない私達 無駄職人間 @1160484

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