202010 ジャパロボ 22
渋谷かな
第1話 ジャパロボ22
「いくぞ! 祐奈!」
「はい! 綾教官! 命に代えてもお守りします!」
自衛隊の軍の建物から綾幕僚長の車列が出発する。護衛をチーム祐奈が任された。そして祐奈自らがジャパロボに乗って護衛する。
「優子。周囲の警戒を怠るな。」
「はい! 祐奈教官の往年のパイロット姿が見れて光栄です。」
「だから私はまだピチピチの20才だって。」
祐奈は20才の二人の子持ちなのだ。祐奈専用ジャパロボ・エンペラー。優子は自衛隊量産機を300パーセント増しで改造した、優子専用ジャパロボ自衛隊04改300%マシマシである。
「クスクス。」
「どうしたんですか? 綾幕僚長。」
同じ車両に乗り込んでいる麻衣が尋ねる。
「祐奈も立派になったものだ。昔は私の前でも寝ていたのだがな。その度に裸にして逆さ布団巻きにして、屋上からよく逆さ吊りにしたものだ。ワッハッハー!」
通称、芋虫の刑。
「祐奈教官のトラウマの原因は幕僚長か・・・・・・。」
今明かされる祐奈のトラウマの日々。
「幕僚長は、祐奈教官とどこで知り合ったんですか?」
「第1回全国ジャパロボ大会だ。祐奈はその時もよく寝ていた。私はヤンキーで刑務所暮らしだったが、出たばかりのジャパロボの運転が上手くてな、司法取引に応じて自衛隊のジャパロボのパイロットとして参戦したのだ。その時に私の教官だった加藤と恋仲になり結婚したんだ。今や旦那は大日本帝国自衛隊の仕切るジャパロボ防衛大臣。そのコネで私もジャパロボ幕僚長だ。」
華麗なる綾の人生。
「祐奈が私の後を継ぐ日も来るかもな。ワッハッハー!」
「恐ろしい日が来るんですね。アハッ!」
移動中の車内は和気藹々としていた。
「ピーン!」
その時、警備車両に乗る久美がレーダーが何かの反応を感知したことに気づく。
「祐奈教官、前方に12機のジャパロボの反応を確認しました。テロかもしれません!?」
「教官はやめろ! 今日は実践だ! 私のことは隊長と呼べ! でないと私が綾教官に怒られてしまう!?」
あくまでも綾さんが怖い祐奈。
「どうしますか? 祐奈隊長。先行して叩きますか?」
「その必要はない。私がやる。だって綾教官の車両に振動が伝わったら、私が殺されかねない!?」
「いったい綾幕僚長は祐奈隊長に何をしたんだ!?」
優子に戦慄が走る。
「エンペラー・システム・アウェイク。」
祐奈の覚醒が始まる。
「き、消えました!? アンノウン12機のエネルギー反応が消えました!?」
「いったい何をやったんだ!? 祐奈隊長は!?」
未知なる祐奈の力に衝撃を受ける久美と優子。
「zzz。」
そして力を使い疲れた祐奈は自動操縦に切り替えて眠りにつくのだった。
つづく。
202010 ジャパロボ 22 渋谷かな @yahoogle
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