アルバイター勇者

第1話 勇者登場！？

((僕は..ここで終わるのか..？))

僕は走りながら死を覚悟した。

噂には聞いていたが、本当にモンスターが現れるとは...

そのモンスターは人型で、顔色は悪く小柄ではあるものの恐ろしい顔立ちで、足も速かった。

そんなことはどうでも良くて、ただ逃げることだけを考えていた僕だったが、自分でも気づかないうちに助けを求めていた。

「誰かｯ！！　誰かｯ！！！　あっ!!―――」

僕は夢中で走っていたため、転んでしまって

も受け身をとることができず、おもいっきり体を強打してしまった。痛いはずなのに痛みを感じなかった。

そしてそれと同時に死を悟った。

だが僕には死ねない理由があった。死を悟った瞬間に死ねない理由を思い出したのだ。

震える体をたたき起こして、走りだそうとしたそのときだった。

突如目の前に光の柱が現れ、そのなかに若い男がいた。

眩しくて目を瞑っていたので何が起きたのかわからないが、僕が次に目を開けた時には、その男はモンスターの体に、剣を突き刺していた...