この物語は「異世界転生」や「追放系」のジャンルにありながら、真正面から“心の救済”と“普通の幸せ”を描いた、静かであたたかなスローライフ系の群像劇です。
かつてそれぞれの世界で“強すぎた”英雄たちが、自分の過去に縛られず、新たな場所で居場所を作っていく――その過程を丁寧に描いていて、とても心に沁みます。
テンポの良い会話に、ほどよいコメディ要素もあって、読んでいて自然と笑顔になれるところも魅力のひとつ。
また、戦う力や役割、得意分野の違いを活かしながら支え合う“チームもの”としての面白さもバッチリです。
いわゆる『最強』『追放』『異世界』といった定番テンプレにちょっと飽きてきたという方にも、きっとこの作品は癒やしになるはず。
心を壊すほど戦ってきた英雄たちが、ただ笑って一緒にごはんを食べる――そんな何気ないシーンに、きっと読者も少し救われると思います。
勇者に英雄、ヒーローに魔王、魔女。
ありきたりの『主人公達』と、転移に村作り、物作りに料理等々ありきたりな設定。
・・・なのに全然ありきたりでは無かった!
チート達が普通の生活を求めて、無くしてしまった日常を求めて転移を願う。
チート達が集まれば、皆がチートであれば、自分は普通で居られる。
笑いあり涙あり、そして可愛いモイモイあり。
『主人公達』は全員清廉潔白では無く、下ネタもあるし弱音も吐く。
でも『主人公達』は口は悪くても、人をけなす言葉を使わない。
言葉は言霊。
『主人公達』の言葉は、毎日をなんとなく生きている自分にジワリとくる。