第2話 神との仕事
「誰、って。お前がよんだんじゃろ?」
いや、よんでないよんでない。
「失礼ですがどなたですか。」
「わしは金の神様じゃ。お前が拾ったんじゃろ?仕事ができなくて天界から追放さ
れてのう、、、お金に化けて誰か卑しい奴が拾ってくれるのを待っていた
のじゃ。名前は。」
「
そんなことより卑しいって。なんかむかつくんですけど。っていうか、
「会社に遅刻する!!」
一応神、みたいだし、投げ捨てるわけにもいかず、私はまたお金に戻った神をバッグに投げ入れた。
「おはようございます」
みんなの冷たい視線が一斉にこちらを向く。
---ああ、そうだったそうだった。私いじめられてるんだ。
朝からテンション高めの神にあって、すっかり忘れてた。いや、忘れたふり、をしていただけなのかもしれない。
去年のこと。初めての会社にワクワクしていた私は、この後悲劇が待っているとはつゆ知らず、毎日楽しく仕事をしていた。
しかし、仕事の遅い私は、会社に入って早々に上司に目を付けられた。
「仕事が出来ない奴は来なくていい!!」
やがていじめは激化し、私のことをみんながいないもの、として扱った。誰も止めてはくれなかった。
それでも、心に決めた。私は行く。意地で。やめるもんか。辞めたらあいつらの思いどおりだ。
すると、急にカバンが揺れて、神が出てきた。
「は!!??」
皆が一斉にこっちを見たが、神については言及しない。他の人にはみえてないみたい。私は小声で話しかける。
「何?」
「ゆるせん。何故あかね様にひどいこと、、、」
「なんで分かったの?え、私何も言ってないよね、大丈夫だよね。」
返事は返ってこなかった。その代わり(なのかどうかは定かではないが)突如神様はメラメラ燃え上がり、あと少しで上司を倒せるっ、、、所で力尽きて、間抜けな顔でふわふわと落ちてきた。
面白すぎて笑いをこらえるのに必死だ。
「ありがと、w」
面白いものを見たおかげか、その日はみんなにシカトされても平気だった。
神の力かな。神ってすごいかも。
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