第4話 神との和解
神がいなくなってから2日が経った。
---神、元気かな。
いくら神だとはいえ、やはりおじいさんなものはおじいさん。どこかで凍え死んだりしてないだろうか。
時間が経てば経つほど、私の中には罪悪感が募っていった。
神がいなくなって二日目、ある雨の降る夜、私はついに決心した。神を迎えに行く。
一度決めてしまえば決心は揺るがないほうだ。どこにいるのかもわからないけれど、私は絶対に探す。探し出すんだ。
で、どうだったかって?神は家から歩いて1分もかからない公園に座っていた。しかも、駄菓子を食べて。どうやら、神なので寒さも感じないし雨にも濡れないらしい。何だ、心配して損した。でも…
---無事で良かった。
心からそう思った。
まずは、家につれて帰ってきた。第一声に、
「ごめんなさい!!」
と謝った。
神は、相変わらず温厚で、
「いいのじゃよ。」
と言った…
直後に
「ま、謝って当然じゃろ?わしゃ神だぞ?」
と言ったのは聞き逃さなかったが。2日前に見せた優しさは何だったのか。ひょっとして多重人格か?まあ今回は私に非があるので聞かなかったことにしよう。次言ったら容赦なしにぶっ飛ばす。
と言う調子に、帰ってきて5分も経てば、私は調子を取り戻した。
過去のことにくよくよしてても仕方がない。これから、頑張るんだ。仕事も、神との生活も。
って、開き直ってるだけだけど。思いの外神が元気だったから、なんか反省の意も冷めてしまったみたいだ。
まずは、神の部屋を作る。作る、ってもそんなに金があるわけではない。両親から借りるわけにもいかないし(※一話参照)。
すると、ふと見たテレビでヌトリのCMをやっていた。
「これだ!!」
私は、神とともにヌトリに買い物に行くことにした。
「行くよ、神!!」
そういえば呼び方を考えていなかった。神!!なんて、変な感じだ。私の中で脳内閣議が行なわれた…
その結果、神の名はゴッドさんになった。え?変わってないって?ゴッドのほうが人名っぽいじゃん。
これからもよろしくね、ゴッド。
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