202010 ジャパロボ 6

渋谷かな

第1話 ジャパロボ6

「ここで問題発生だわ!?」

「どうしたの!? さとみちゃん!?」

 何か事件が起こったみたいだ。

「風のジャパロボの活躍を描くか、すずちゃんのジャパロボを登場させるか、どちらを先に描くか悩んでいるの。」

「さとみちゃん! ごめんなさい! 大切なお友達のあなたを悩ませてしまって!」

「zzz。」

「いい所で寝るなよ!」

「ごめんごめん。冒頭の掴みだから。アハッ!」

 仕切り直す。

「いいのよ! すずちゃん! だって私たち友達でしょ! アハッ!」

「臭い青春ドラマを見ているようです。」

 呆れるAIロボットの令和ちゃん。

「それなら両方すればいいんじゃないですか?」

 令和ちゃんが提言する。

「おお! グット・アイデア!」

「教えてくれてありがとう! 令和ちゃん!」

「どういたしまして。これでも優秀なAIロボットですから。アハッ!」

「がんばろう! 1話で2行程!」

「おお!」

 物語が始まる。

「臨時ニュースです! 突然、富士山が噴火しました!」

「なんですって!?」

「溶岩が東京に降り注いでいます!」

「いけない!? 何とかしなくっちゃ! 行くわよ! 令和ちゃん!」

「はい!」

「いでよ! 風の精霊のジャパロボ・シルフィードよ!」

「おお!」

 さとみのジャパロボが風の中から颯爽と現れる。そして、さとみと令和ちゃんを吸収してコクピットに乗せる。

「シルフィード! 飛んでくる溶岩を吹き飛ばせ!」

「任せろ! シルフィード・ウインド!」

 風のジャパロボが強風を起こし、富士山から東京に降り注ぐ溶岩を吹き飛ばしていく。

「これで東京も大丈夫ね。」

「まだよ!? 地面をマグマが流れているわ!?」

「なんですって!?」

 富士山から流れ出すマグマが東京に迫っていく。

「シルフィード!? 風でマグマを吹き飛ばせない!?」

「無理だ。私が扱えるのは風だけ。火は扱うことができないんだ。」

「そんな!?」

 さとみはお手上げだった。

「さとみちゃんが頑張っているのに、私は何もできない。このままではマグマで東京が壊滅しちゃう!? 何か!? 何か私にできることはないの!?」

 すずは自分の無力さを痛感した。そして自分にも何かできる力が欲しいと心から願った。

「汝に私の力を与えよう!」

 すずは流れてくる溶岩に飲み込まれた。

「さあ! 我が名を叫べ!」

「サラマンダー!」

 火の中から火のジャパロボが現れる。そして全ての溶岩を吸収する。

「スゴイ!? これが私のジャパロボ!?」

 すすのジャパロボのおかげでマグマが干上がって東京は守られた。

 つづく。

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