202010 ジャパロボ 3

渋谷かな

第1話 ジャパロボ3

「どうして私が遅刻なのよ!?」

 そしてさとみが学校に着いた頃には11時を回っていた。

「仕方がないでしょ。人助けをしていたんだから。」

「うえーん! 先生に怒られた!」

 さとみは高校初日から遅刻して怒られた。

「さとみさん、お姉さんを見習いなさい。」

 そこに担任のデヴィ女教師が現れる。

「え!? 私にお姉ちゃんがいたの!?」

「要るじゃない!? イリスお姉ちゃんが!?」

「そうだっけ?」

 今まで触れてこなかったが祐奈には娘が二人いるようだ。姉のイリスと妹のさとみ。

「分かった! 遺伝子操作だ! だって私はお父さんの顔を知らないもの!」

「バレたか!?」

 どうやら祐奈は男性と結婚できそうな性格ではない。でも優秀なジャパロボのパイロット適性のある遺伝子を自衛隊が放っておく訳もない。


「祐奈隊員! あなたの遺伝子で生まれた子供です! あなたが育てなさい!」

「zzz。」

「こらー!? 寝るな!?」

「すいません。つい癖で。アハッ!」

「これは自衛隊命令です!」

「ええー!? そんな!? 綾子教官の鬼!」

 こうして処女なのに二人の娘の母親になった祐奈。まだ20代前半であろうから再婚のチャンスはある。ちなみに綾子教官は祐奈の永遠の上官である。懐かしい。

 祐奈はシングルマザーで、知らない間に生まれた子供を自分の子供として育てらされているといったところが無難な着地点である。

「自衛隊って恐ろしい組織ですね。」

 正式名称は、日本帝国自衛隊らしい。

 

「ちょっと!? 聞いてるんですか? さとみさん?」

「zzz。」

 しかし、さとみは瞬時に眠っていた。

「まったく最近の若い人ときたら。プン!」

 デヴィ先生は怒りながら去って行った。

「狸寝入り成功!」

「起きていたのね!? さとみちゃん!?」

「もちろんよ! アハッ!」

 なかなか小賢しいさとみであった。

「大丈夫? さとみちゃん。」

「すずちゃん! 良かった! また同じクラスだね。」

「高校生になっても、さとみちゃんは相変わらずだね。」

「そうなの。人ってそう簡単には変われないものよ。」

「アッハッハッハ!」

 さとみの友達の石原すずである。二人は同じ中学校から同じ高校に入学した。

「さとみちゃんはもちろん出るんでしょ?」

「何に?」

「全国ジャパロボ大会。」

「zzz。」

「こらー!? 寝るな! 戻ってこい! さとみちゃん!」

「ふわ~! もうお昼ご飯の時間かな?」

「なんでやねん!」

 こうしてさとみは母と同様に全国ジャパロボ大会に導かれるのだった。

 つづく。

「マジか!? これじゃあマジでラブライプと同じ展開じゃないか!?」

 それでいいのだ。

 つづく。

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