ことり人間
安良巻祐介
奥の間にことり人間というのがいるというので、鳥頭の矮人か何かか、と恐る恐る確かめに行ったところ、畳の上に膝を抱えて座り込みあらぬ空の方を見つめながら右手の指先のみを動かして、そばの琴柱をことり、ことり、と鳴らしている女であった。その雰囲気が尋常ではないので、ぞっとしながらゆっくりと後ずさりをして奥の間を辞した。以来、二度とそこへは行っていない。
ことり人間 安良巻祐介 @aramaki88
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