主人公と同じように、突然の展開に驚かされ、すぐに作品へと入り込んでしまいました。謎がまた謎を呼ぶかのような展開が繰り広げられ、主人公と共に考え、主人公と共に悩まされる。不条理まさに本作に徹底されているのは不条理な事実・現実であり、物語の体裁を帯びた立派な現代社会に対する啓蒙書とさえ言える。後悔先に立たずとはよく見聞きするが、登場人物の訴えが自分にも向けられている気になり、、主人公だけでなく、作品そのものに没入していたことを読後、気づかされた。