第5話
俺って、普通の猫じゃなかったのか………。
よくよく考えてみたら、普通の猫って熊よりでかくないよなぁ。
それに、こんなに鋭い爪とか持ってないよなぁ。
ぶはぁ、ぶはぁ、ぶはぁぁぁぁぁぁ。
口から青白い息が吐き出る。ヘビースモーカーも顔負けの煙だわさ。
ち、ちべたい………。
俺が息を吐いた場所には、俺の顔くらいまでの氷の塊が生えた。てか出来た。
ドラ〇もん!全自動かき氷製造機だして~。とうきょーにあるようなふわっふわの綿あめみたいなかき氷~。
あ、シロップは練乳とイチゴのシロップをブレンドしたいちごめぉっくね。
妥協すんなよ、青タヌキ。
………って、ここには俺しかいないんだけどね!
わっはっはっはっは!………はぁ、なんか悲しくなってきた。
う~ん、ちょっと真面目に考察しよう。
思えば、ここに至るまで一日も経ってないけど、不可思議な事だらけだった。
なんかよーわからんアンケートに答えて、未練なんか微塵もねえって思いで回答してクリックしたら、急に眠気に襲われてバタンチーンして。
んで、起きたらよーわからん謎な猫科っぽい人外生命体になってた。
もふもふしてる。毛並みはめちゃくちゃ良い。おろしたてのシャツよりも良い。その道300年くらいのクリーニング専門店に出した毛皮のコートみたいだわ。
ぶっちゃけ、俺の毛皮以上に良いコートなんてこの世に存在するだろうか?いや無い!!QED!って即答するくらいには、自信を持っていい毛並みだ。
生まれて一日も経ってないけど。ばぶぅ。
でも、普通じゃない。ばかでかい虎の亜種って言っておけば、まあ何とか通じるだろうさ。でもさ、俺の爪、めっちゃ切れるんやで?
普通、あんなスパスパ切れるわきゃねえ。
よくよく思い出してみたら、普通に骨ごと綺麗にスパっていってたぜ。うん、継ぎ目じゃなくて、普通に骨。
骨ってけっこう硬いんだよね。首ちょんぱすんのに苦労すんのも、だいたい骨のせい。
だのに、俺は普通に骨をバターでも切るみたいにスパって切っちゃった。
あらやだ。ジャパネッ〇たかたも顔負けやないかい。
一家に一本、わいの鉤爪はどうだい奥さん?
試しに如何にも硬そう~な洞窟の壁に爪を立ててみる。
シャキーン!収納できる鉤爪!ここら辺はマジで猫科。
ギコギコは、しません。こう、スーッと!
『おほぉう』
き、きもちええ~~~~。
バターなんてもんじゃねえ。本当に何の抵抗らしい抵抗感もなく切れたぜ。
もしや、俺ってスパ〇パの身の能力者?
やだん、これからMr.1って名乗ろうかしらん?
それともダズ・ボー〇ス?ワンピのスパスパ人間の本名知ってる人って、どんだけいるんだろう。みんなMr.1で覚えとるんじゃなぁい?
まあ、何はともあれ。
『寝るか』
おやすみぃ!!
異世界に猫科の何かに転生した俺が、第二の人生を満喫する話 にゃ者丸 @Nyashamaru2
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