第4話

 やってやんぞ!くらぁ!


 ドラドラしてやんぞ!どらぁ!


 気分はオラオラ言いながら、がん飛ばしてる不良少年。


 おうおう、良い感じにモフモフしてんなおらぁ!気に入らねえな!おらぁ!



 でも、起こしたら面倒なのは分かるので、静かに忍者ムーブ。


 ぬきあし、さしあし、忍び足。



 こら!そこ!泥棒ムーブとか言わない!



 まあ、何はともあれ。



 熊の首元まで近づいて、んがぁ~?と何かに気づいたのか、変な鳴き声を出していたクマさんを――――――――スパっと。



 首を刎ねる。



 山おじムーブです。



 一匹、仕留めた。



『さあ、首を出せ』



 出さなくても刎ねるけど。はねる君です!



 ほい、もう一匹もスパっと。



 てれれれっれっれ~♪


 猫科 は クマさん を 二匹 倒した


 レベルは上がらねえ。なんせ現実なもので。



 血が滴る。生暖かい赤い液体がどくどくと流れる。



 ごくり……………。うましょう。



 野生の本能が言っている。汝、このクマさんを喰らうべし、と。



 ならば言わねばなるまい。あのセリフを。



『この世の――(以下略)いただきます!』



 がぶがぶ。むしゃむしゃ。


 うむ、うましクマ肉。うまし。


 臭みがえぐいけど、肉の旨味はやっべぇよ。



 この氷雪地帯を生き抜くため、身体が大きくなってたんだな。


 肉が凝縮されて、ちょっと硬いけど全然だいじょーぶ。



 実は、俺の歯と顎。ちょうつえーんだぜ?



 はっはっは。クマ肉など、ラーメンのチャーシューも同然よ!口の中でほろほろに蕩けるようだわ!



 うん、マジでうまい。ほんとに口の中で蕩ける。


 あぶりゃみが、あぶりゃみが、甘くておいちーの。



 ……?キモイぞおっさん?生まれたて(?)だから問題ねえんだよ!



 うま~うま~。


 血が滴る肉を貪る。これこそ、通の食べ方よ。


 初めての食事だけどな!




 ふい~食べきっちゃったよ。おなかパンパン。


 あんなに大きなクマさん二匹、今は俺の腹の中よ。ぐっへっへっへ。



 さて、とゆうわけで。今からこの洞窟は俺のものだあああああああ!



 さっそく寝よう~としたその時!


 俺は、とある事実に気が付いた。


――――――――はっ!!


 この洞窟の奥、血がべっとりぃ。いやぁん気持ち悪い。



 そうだった。クマさん血がだらっだら出てたわ。そりゃ血で汚れるわ。



 …………どうしよう。これじゃあ眠れにゃい。



 舐めるか?いや、血だけじゃだめだ。せめて肉がないと。


 あ~~~~どうしよう。



 こりゃぁもう、ため息を吐くしかありまへんわ。



『はぁぁぁぁぁぁぁぁ』



 俺がため息を吐くと、同時に青白い息が吐き出される。


 凍える息吹きてきな?あれ、俺ってポケ〇ンだったの?



 口から出る青白い息吹きは、瞬く間に地面の血を凍らせて、更に氷の層を作り出した。


 わーい、カッチコチのベッドだぁ!



 赤い血が良い感じに氷を装飾していて、ふーむ………これは良い作品ですなぁ。




 取り敢えず、現実逃避をやめて、と。





 ほわぁい?




 もしかして俺って、普通の猫でない?



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