第35話 人見知りは突然に

俺は、生まれてから一度も友達を家につれてきたことがない。それは・・・べ、別に友達がいなかったわけじゃないんだからね‼︎・・・という冗談は置いといて、家を知られるのが嫌だったとかではなく・・・ただなんとなく


「着替え終わったら私の部屋に来てね?色々話したいこともあるから」


だから、涼音がうちに友達を連れてきたことに正直驚いている。別に嫌ということではない、むしろ学校以外に友達がいたことに驚いているだけだ。


コンコン


「入っていいか?」


「いいぞー」

「あ、ちょっ」


ガチャ


「あ」


「・・・・・」


「・・・・・」


「あ・・・じゃないわよ、早くそこ閉めなさい」


「お、おお」


お?なんで涼音は上半身下着姿だったんだ?いやでも入っていいっていわれったような・・・


「爽侍くん・・・今度は入ってもいいよ」


ん?着替えが終わったみたいだな


「ああ、今度は大丈夫なんだな?」


「う、うん・・・」


そこには、まさしく修羅場が広がっていた。涙目でこっちを見ている涼音と・・・あそこで頭を押さえてうずくまってるのはさっき俺の部屋に突撃してきた・・・確かゆなちゃんだっけ、あとは・・・あの子の名前はまだ知らないな


「まったく、あんたはいつもそうやって・・・何かしないと気が済まないの?」


「ご、ごめんってばー」


こ、これは同級生ってよりまさしく母ちゃんだな。なんとなく女子高生の母ってなんかそそられるよな・・・ごめんなさい


「じゃあ、改めて爽侍くんに紹介するね?」


「ああ」


「まずは、由奈ちゃんからだね。茶髪で髪の短い子が、小室由奈ちゃん。さっきのことがあるからなんとなくどんな子かわかるよね?」


「ああ、よろしく小室さん」


「ダメダメ、すずちゃんの友達は私の友達なんだから私のことはゆなって呼んで」


「そ、そうか。わかったよ、由奈よろしく」


「う、うんよろしく・・・何あれ、なんの躊躇いもなく・・・」


「じゃ、じゃあ、次は香奈ちゃんだね」


「はい、次は私ですね」


あ、母ちゃんだ


「ん?今何か私に不快なこと考えてませんでした?」


「い、いや・・・何も」


「そう、ならいいのだけど。私は、小鳥遊香奈よ」


た、小鳥遊・・・なんともラノベに出てきそうな名前だな


「よ、よろしく小鳥遊さん」


「ええ、よろしく」


な、なんかつかめない子だな


「あ、ちょっと私飲み物とかもらってくるから」


「じゃあ俺も・・・」


「ううん、いいからみんなとお話ししてて?」


「ん?そうか・・・わかった」


一体涼音はなんのつもりで一人抜けたんだ?俺たちに仲良くなってもらいたいのはわかるけど・・・こんなほぼ初対面の状態で何を話せっていうんだ・・・まったく






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なんか美少女が転校してきて、チラチラ見てくるんだが 黒の底力 @kuronosokoj1kara

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