神の御加護がありますように 11

渋谷かな

第1話 物語11

「やっとたどり着いた。」

 孤児院に上級悪魔のアークが現れる。

「誰だ!? おまえは!?」

「私はアーク。魔界からの追手の上級悪魔だよ。」

「なに!? 上級悪魔!?」

 イースとフレッドは上級悪魔と聞いて戦慄を覚える。

「ああー!? あなた様は!?」

 アークはミッキー神父を見て驚愕する。

「言うでない。アークよ。私はここではただの神父だ。」

 ミッキー神父は上級悪魔に釘を刺す。

「ははあ!」

 緊張した面持ちで素直に従うアーク。

「どうして人間界なんぞに居られるのですか!? あなた様が!?」

「私は孫を育てているだけのただの隠居したおじいちゃんだ。」

「孫? まさか!? あなた様のご子息家族は交通事故でお亡くなりになったはずではありませんか!?」

「違う。あれは当時、大臣をやっていたダーロに謀られたのだ。」

「なんですって!?」

 初めて知る事実に衝撃を受けるアーク。

「私は間一髪の所で孫を救い出し、孫を守りながら、強い娘に育てることに成功したのだ。さっきもギガンテスを一口で葬り去ってきたぞ。」

「ええー!? ギガンテスを倒したのは、あなた様のお孫様でしたか!?」

 ミッキー神父と上級悪魔アークのミステリアスなトークが繰り広げられる。

「話がよく分からん。神父は上級悪魔とお友達なのか?」

「孫って、シンディのことか? って、やっぱり実の親子じゃねえか!?」

 ちんぷんかんぷんな二人。

「おい、イース、フレッド。」

「なんだよ? 神父様。」

「こらー!? おまえたち!? 神父様に何という口の利き方だ!? 殺されるぞ!?」

 血相を変える上級悪魔。

「良いのだ。こいつらも私の孫みたいなものだ。無礼な口の利き方はいつもどおりだ。」

「ははあ! 失礼しました!」

「そうだ。アークよ。こいつらは孫の盾となる国家騎士になるべく育て上げた。試しに戦ってくれないか?」

「はい? 私がですか? いいんですか? 極限上級悪魔魔法で一撃で吹き飛びますが?」

「構わない。その時はその時だ。死んだら暗黒騎士にでも育てよう。」

「こらー! 勝手に殺すな!」

「俺たちに人権はないのか!?」

「分かりました。戦いましょう。」

 こうしてイースとフレッドは上級悪魔アークと対決することになった。

 つづく。

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