再会出来るその日まで
黒柳 逸
第0話 プロローグ(上)
あるところに、とても珍しい人間がいた。
その人間は、2回も記憶を持ったまま転生をしていた。
1回目の人生は日本という国だった。
少し生活は苦しい家だったが、優しい両親と平和に暮らしていた。
「本当か⁈今すぐそっちに行く!」
静かなオフィスに男性の声が響き渡る
「高木先輩?どうしたんですか?」
「生まれたって」
「え?」
「今!病院で俺の子供が生まれたんだよ!」
「は⁈マジっすか⁈」
「俺は病院に行くから、後は任せた!」
「ちょっ!高木先輩⁈」
俺はオフィスを抜け出し、病院に急いだ
俺は現在、妻の病室の前にいる
「失礼します!」
俺は病室の扉を開ける
「直人?」
「真奈美!子供は?」
俺が尋ねると、妻は抱き抱えていた物をこちらに見せてきた
「男の子だって」
俺はそっと、その小さな天使を抱き抱える
少しでも抱く力を強めたら潰れてしまいそうなほど小さく、柔らかい
「名前はどうしようかしら?」
「高正ってどうだ?誇り高く、正しく生きて欲しいって意味で」
「高正…いい名前ね」
「だろ?」
俺は抱き抱えている小さな体に対して一言
「いいか?お前は今日から高正だ!」
40年後
「お前は何でこんな簡単な事も出来ないんだ!」
「はい、すみません!」
「すみませんじゃねえんだよ!」
「本当にすみません!」
「はぁ、もうお前明日から来なくていいよ」
「え?」
「クビって言ってんの!早く帰れ!」
「ちょっと!待ってください!」
「はぁ、クビかぁ」
1人の男性がビルの屋上で静かに嘆いていた
「母さん達にはお金送ったし、もういいよね?俺頑張ったよね?」
40にもなる男性が泣いていた
「もう、俺疲れたよ。まだ読み終わってない本とかあるけど、もういいかな」
俺は柵を乗り越えた
「母さん父さん、今までありがとう。
もし、死後の世界があったら3人で幸せに暮らそう」
そして俺はビルの屋上から飛び降りた
そして2回目の人生が始まった
「あれ?ここは?」
確か俺はさっきビルから…
「ちょっと邪魔だよ!」
「あっすみません」
って何だこの人⁈背中にでっかい剣が、
「ん?なんだよジロジロ見やがって」
「あっすみません。その背中の剣が凄いなって」
「ああ、こいつか?」
しかし、ここは何処なんだ?
「こいつはなぁ、俺の祖父が〜」
見た感じは完全に異世界って感じだけど、
「って事で、この剣はどんなものでも簡単に」
「すみません、ギルドってありますか?」
「…あるよ、このまま奥に進んで行けば」
「ありがとうございます!また今度!」
そして、僕はその男性を置いてギルドへと足を進める
再会出来るその日まで 黒柳 逸 @kuroyana1152
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