魔王に姫がさらわれて勇者が助ける物語ができるまで10

渋谷かな

第1話 王道10

「我流剣技! 三連斬り!」

「我流剣技! 大強振!」

 イースとフレッドは次々とモンスターたちを倒していく。

「なんなんだ!? この子供たちは!? 強い!? 強いぞ!?」

 国家騎士アルガスはイースとフレッドの戦いなれしている活躍に驚いた。

「僕たちは小さい頃から孤児院を守るためにモンスターと戦ってきましたから。」

「そうそう。俺たちの様な辺境の村なんて国家騎士様は守りに来てくれないからね。」

 国家騎士は王都や主要都市を守っているので田舎までは守っていられなかった。

「もしかしたら私なんかよりも君たちの方が強いんじゃないか?」

 思わずアルガスは子供たちの活躍にお世辞を言った。

「やったー! 国家騎士様に褒められた!」

「無駄口を叩いてないで、モンスターを退治しよぜ!」

「おお!」

 再びイースとフレッドはモンスターに突撃する。

「なんて逞しい少年たちなんだ!? この子たちは将来、国家騎士になれるかもしれない!?」

 アルガスは二人の少年のわんぱくさに心がときめいていた。

「くるぞ! 合体タイムだ!」

「気を抜くなよ!」

 倒されたモンスターたちが一つに集合していく。この世界には不思議なことがあり、どんなモンスターでも合体できてしまう恐ろしい世界なのだ。

「ガオー!」

 雑魚キメラ2が現れた。

「出たな! デカブツ!」

「また闇鍋かよ・・・・・・オエー。」

 イースとフレッドは何度見ても雑魚キメラを気持ち悪がる。

「君たちは!? 雑魚キメラを知っているのかい!? こいつはモンスターを一定数以上倒さないと現れないんだが!?」

「前に、こいつも倒しましたよ。」

「ハートに火をつけてね。」

「え!? 子供が雑魚キメラを倒しただって!?」

 アルガスは驚いた。雑魚キメラは無念に敗れたモンスターの魂の集合体。少年二人がかりで倒せるようなレベルの敵ではなかった。

「なんなんだ!? この子供たちは!? なんで雑魚キメラを前にして、こんなに余裕で楽しそうな表情ができるんだ!?」

 国家騎士でも倒すのが一苦労な雑魚キメラ。それと戦うのが楽しくて仕方がないイースとフレッド。

「いくぞ! フレッド!」

「やっちゃえ! イース!」

 雑魚キメラ2との戦いが始まった。

 つづく。

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