第7話 カドさんの逆襲・其の伍

作者

「永遠の中納言カドさん、行きの船では空海、橘逸勢、伴雄堅魚(この人は二の船にいた可能性もあり)乗せてたんですよね?」


カドさん

「『永遠の』って枕詞が、気に入らないけど…そうです」


作者

「で、帰りの船では最澄と後の大僧正永忠を乗せて帰って来たんですよね?」


カドさん

「はい」


作者

「あなたすんげえ美味しいネタ持ってるのにそこ主張しないと!だから名前がそんなに残ってないじゃんよ」


カドさん

「あのね、私は貴族だから帰国後のコールタールみたいな宮中政治のドロドロで生き残る事が精一杯だったの!

あーもー、あの時の私はモンスター留学生たちを引率する先生みたいな大変さだったわ!」


作者

「上記のメンバーの中で後に付き合いがあった人いますか?」


カドさん

「同じ貴族だった橘逸勢くんだけです。才気があっても驕ること無く天然でいい子だから」


作者

「作中でも癒し系で登場させてます。日本に初めて隷書体持ち込んだのに悲しい程に知られていない子ですよね…」


カドさん

「あー、そこは後の政変でムニャムニャ…」


作者

「自分の作品のネタバレはしませんって。しかし徳宗皇帝に謁見して長安城に滞在中に皇帝崩御、次代の順宗皇帝の即位に立ち会うなんてあんた、『持ってる』な~…」


カドさん

「あの時は船越さんじゃなくても事件性感じました。持ってるどころかさっさと逃げ帰りたかったですよ!

あなたね、こういうあるあるネタは二話めで扱うもんですよ。読者はそれを待ってるんですよ」


作者

「公文書の作成を全部空海に押し付けたお陰で早く帰国できたもんね」


カドさん

「出来る上司は優秀な部下への仕事の押し付け加減をわきまえている」


作者

「それ、自分で言うか?」


カドさん

「あの時は不眠不休で大変やった、と未だに本人から嫌味言われてます」


作者

「空海さん本人から?」


カドさん

「ふくふくした色白に見えてあいつ意外と根に持つタイプですよ」


作者

「筆まめなところとから後の十住心論とか…そうかもしれない。次回はその空海の意地悪さ全開させます」


カドさん

「やっちゃってください」


作者

「ヤッチマイマース」


カドさん

「爛熟して一斉に枯れる直前のノベルの世界であなたがどれだけやっていけるか、草葉の陰から見守っています」












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カドさんの逆襲 白浜維詠 @iyo-sirahama

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