06 休日返して
護身用の武器で、敵と渡り合う幼馴染(馬鹿&お嬢様)を見ながら、逆転のヒントがないか探る。
ここは袋小路。
けえど、周囲には建物がたくさんある。
誰かに気が付いてもらって、騎士を呼んでもらえば。きっと助かる!
「お前ら、騒げ! 人を呼べ!」
だから、僕達は子供達を使うことにした。
せっかく助けてやったんだから、その分は働いてくれ。
「びゃー。怖いー!」
「ぎゃー! 死んじゃうー」
「こわいの来たー。たすけてー!」
子供の甲高い声って、なんでこう頭にくるんだろうな。
助け出した子供達の大合唱。
だんだん周囲が騒がしくなった。近所の人が気が付いてくれたかな。
よし、これなら。
もうすぐ、騎士が……。来てくれる、はず……。
「ひぃっ、もう悪い事しません。こんな事からは足を洗います!」
あれ?
「助けてくれ! 大人しく捕まるから!」
なんか、あいつら勝ってね?
形勢逆転してね?
見ると、怪我をしたお嬢様をかばって、ブチ切れた馬鹿が敵をたこ殴りにしていた。
「てめぇ、じごくにおちろ。こらぁっ。たこっ。おにっ。これ俺のだからな! 傷つけたら、地獄行きだからな!」
「ちょっと、落ち着いて、ただのかすり傷だから。というか私は貴方のじゃないわよ!」
暴れる馬鹿をお嬢様がなだめているところだった。
心配かけんなよ。
そんなこんなで色々あったけど、無事に一日が終了した。
無事に……。
あれ、今日休日だったよな。
休みの日だからゆっくり、羽を伸ばそうと思ってたのに、何でこんなことになってるんだよ。
「あ、そういえば、まだらの白鳥見れてないわ」
「ん? 忘れてた。今度また一緒に見にこようぜ」
僕の幼馴染達は大変なお人よしなので、休日が休日じゃなくなってる 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
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