魔王に姫がさらわれて勇者が助ける物語ができるまで4

渋谷かな

第1話 王道4

「今日はおまえたちに孤児院周辺の魔物を倒してもらう。」

「はい! やります!」

「おお! 俺に任せろ!」

 ミッキー神父はイースとフレッドにクエストを与える。

「ていうか、マジ、チュートリアルって感じ。」

「それは言わない約束でしょ。」

 いきなり魔王とは戦えない。何事も最初があるのだ。

「イース! フレッド! がんばって!」

「はい! がんばる! 行ってきます!」

「シンディ! 俺の活躍を見ていてくれよな!」

 好きな女の子に弱いのが男子である。

「あいつら単純だな。アハッ!」

「本当に男の子って扱いやすい。アハッ!」

 ミッキー神父とシンディは仲良く微笑むのであった。

「神の御加護がありますように。」

 ミッキー神父とシンディはイースとフレッドの無事を祈るのだった。


「でや!」

「どや!」

 イースとフレッドは次々とモンスターを倒していく。モンスターと言ってもスライムとかゴブリンや野良犬などの弱い魔物ばかりだが。

「剣技! 二連斬り!」

「剣技! 強振!」

 次々と雑魚モンスターを倒していくイースとフレッド。二人はこれまでの剣術の稽古のおかげで強くなっていた。

「この調子なら直ぐにモンスターを追い払えそうだね。」

「楽勝だな。自分の強さを疑うわ。ワッハッハー!」

 しかし倒されていく雑魚モンスターの様子が少し変だった。

「倒した雑魚モンスターたちが一つに集まっていく!?」

「これは!? ハート!? いや、魂が惹かれあっているんだ!?」

 一つに集合した雑魚モンスターのキメラが誕生する。

「気持ち悪い・・・・・・。」

「闇鍋かよ!?」

 キメラは見たこともない異様で面白い姿をしている。

「雑魚はどれだけ集まっても雑魚だ!」

「イース! やるぞ! 俺たちで! こいつを倒すんだ!」

「おお!」

 イースとフレッドと雑魚モンスターの集合体との戦いが始まる。

 つづく。

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