天は玄く、而して地は黄

作者 武江成緒

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★★★ Excellent!!!

まずはその筆致に圧倒される。
嘗て、ラブクラフト全集を初めて手に取った時のような、若かりし頃のあの興奮を思い出させるその筆致に、それも中華世界を舞台に描き切った作者に私は賛辞を惜しまない。素晴らしい!

見事な文章に酔いしれながらも、宇宙的恐怖が徐々にその恐怖の全貌を露にする様は、怪奇幻想小説を愛する私には大層刺さる。
これは良い! なぜもっと早く読まなかったのか!
正道にして正当なるクトゥルフ神話がここにある。

忌まわしき魔書に誘われるかのように「私」が進んだ先には何があるのか。
案内役たる老いた宦官は何を語るのか。
クトゥルフ神話を愛する皆様、同胞たる方々には、自らの目で確かめていただきたい。

★★★ Excellent!!!

ホームズとか、パスティーシュが1つの作品群を作るものってあると思います。

しかし、残念ながら、えてしてその名を使っただけの雰囲気の再現もできていないものも多くあると思います。

クトォルフ神話に至っては、お笑いに逃げるもの、参考程度に名前が出るだけのものなども多いと感じています。

この作品は、中華世界でのクトォルフ神話という難題に正面から取り組み、きちんとおぞましさが表現されている、神話の一部分に相応しいものと思います。

お好きな方は、是非一読を。
おすすめです。

★★★ Excellent!!!

実に素晴らしい! 完璧なまでの再現度です。
重厚にして退廃的、おぞましくもある種の美学を決して忘れない中華版クトゥルフ神話の深淵がここにはありました!

ファンならば是非とも目を通しておくべき作品であります。
私はラブクラフト先生の未発表新作ではないのかと、我が目を疑ったくらいなのですから。ただまぁその、原理主義者の方には「オチが違うだろ」とお怒りになる方もいるかもしれませんが…そこは現代風という事でどうかご容赦を。

禁断の魔導書、忌まわしい邪神、信者たちの凄まじい経歴と成れの果て。
あらゆる要素がクトゥルフでありながら中国の文化を踏まえた独自の神話として再構築されていました。
これこそ正に暗黒神話であり、コズミックホラー!
クトゥルフ神話好きのSAN値ゼロな諸兄は必読ですぞ!