第24話:政略結婚話
私が本気で怒った結果、私は二十二家の貴族領を併合しました。
とは言っても、実際に統治しているわけではありません。
傀儡に囲まれた貴族家の者たちに、逃げるなら助けると言ったら、領民を見捨てて逃げたので、後の統治を住民の代表に任せただけです。
ただ住民代表が驕り高ぶって民を虐げないように、傀儡に見張らせています。
魔岩兵と魔木兵に見張られては、悪事もできないでしょう。
「エーファ嬢、私とダンスを踊っていただけませんか」
ファイフ皇国のデイヴィッド第三皇子が優雅に誘ってきます。
兄上と私が圧倒的な勝利を得た後で、各国から大使が派遣されました。
兄上に派遣された大使は、友好関係を構築して攻撃を避けようという意図です。
私に派遣された大使は、私の婿になりたいというモノたちです。
だから多くの大使が王族ですが、大陸有数の強国ファイフ皇国が第三皇子を派遣してくるのはやり過ぎだと思います。
「ありがとうございます、では一曲お受けさせていただきます」
オリヴァーがデイヴィッド第三皇子を射殺さんばかりの視線を送ってきます。
私への愛を隠そうとしないオリヴァーですから、次々と集まってくる大使達全員がライバルなので、彼らに対する視線には殺意が籠っています。
今のところ決闘や喧嘩は起きていませんが、陰湿な争いは日常茶飯事です。
なんといっても、今の私の領地は全て併せれば侯爵領に匹敵する広さです。
大公である兄上の妹ですから、いずれ公爵位を授かるでしょう。
しかも従属爵位が二十二もあるのですから、格好の政略結婚相手です。
「私には皇国の後ろ盾がありますし、持参金も人材も他の大使よりも多いです。
政略結婚の相手としては悪くないと思いますが、いかがですか?」
「確かに一番いい相手だとは思いますが、もう政略決婚はこりごりですの。
デイヴィッド殿下と結婚したら、ジュリアスの立場が悪くなってしまいます。
ジュリアスが不幸になるような結婚をする心算はありませんわ。
無理強いするような国があれば、魔紙兵に王宮を襲撃させて、王族を皆殺してして差し上げますわ」
「その辺は交渉次第じゃないかな。
政略結婚なのだから、跡継ぎを誰にするのかは、最初に話し合えばいいよ。
なんといっても二十二もの爵位と領地があるんだからね」
確かにその通りなのですけどね。
私としては、自由に恋愛して好きな人の子供を産みたいのです。
そういう意味では、一途に私を想ってくれているオリヴァーも候補にはなるのですが、ちょっと重すぎますし、他の人を愛してしまった時にもめそうなのです。
「そうですわね、兄上も交えて色々と話し合わなければいけませんね」
夫が浮気をしたので、子供を連れて離婚し、農園を始める事にしました。 克全 @dokatu
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