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同日
宴が終わり通いの従業員達は三々五々帰宅。俺はユイレンさんを誘って飲み直しと目論んだが明日も早いとかで、すっとお部屋に戻られた。残念!
相棒は軍属の制服を丁寧に衣紋掛け《ハンガー》に吊るすとどこか嬉しそうに自分の部屋に持って帰った。
さて、おいらは一人寂しく飲み直しといきますか。
五〇三号室に戻り、
本来ならシスル宛の手紙なんで彼女が持ってなきゃならないんだろうが、ふと思い立って懐に収めた。
机の引き出しから茶色い小瓶を出して、中身をチリ紙に沁み込ませ、そいつで手紙をさっと撫でる。
しばらくすると、書かれた文字の他に別の文章が浮かび上がって来た。不可視
「皇紀八百三十六年肥月四日ヲ持ツテ新領総軍特務機関員オタケベ・ノ・ライドウ少佐、並ビニ同雇員シスルノ二名ヨツテ編成サレタル班ノ通称号ヲ『ゲツトウカン五〇三』トスル。マタ、任務ヲ与フルニ付、肥月五日〇九○○時ニ総軍司令部ニ出頭サレタシ、以上」
・・・・・・年明け早々、忙しくなりそうだぜ。
月桃館五〇三号室の男 番外編 労働は尊き哉 山極 由磨 @yuumayamagiwa
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