設定裏話(魔法/アイテム/神々/魔物)

魔法について

 魔法を使う者は魔法使いであり、冒険者や傭兵にも魔法使いは多い。魔導師となると国に認定されたお墨付きの魔法使いとなる。

 魔力はいかなるものにも存在するが魔力が高い=魔法使いとして力を持つ者は心臓を魔動心臓アルケインハートという特殊な器官が生成されており、魔力を生み出す為に魔力量が常人よりも高くなる。

 火を付けるや魔導灯に光を灯すなどの生活魔法は魔力が無いとされる一般人でも使える。魔法使いと呼ばれる場合はレベルI以上の魔法が使えてから。

 属性は炎土風水の四属性がもっとよく知られており、使用者も多い。光と闇の属性は特殊な血にしか発言しないとされる。

 亜種の属性魔法も存在し、風属性には雷が水属性には氷、闇属性には死霊などが確認されているが使用者自体が少ない。

 また、固有魔法と呼ばれるその術者が編み出したその術者専用の魔法も存在する。これらはレベルの相当外とされるがレベルVと同等もしくはそれ以上の危険な魔法が多い。本編で使用されたものはエレシュキガルの使用する防御結界七つの門セブンスゲートのみ。


レベルI

 いわゆる初級魔法。無属性のエネルギーボルトや炎属性のファイアボルトなどの魔力も少ない、威力もそこそこなどの魔法が多い。

 無属性エネルギーボルト、炎属性ファイアボルトetc

レベルII

 中級魔法に属する。

 炎属性ファイアボール、フレイムフィストetc

レベルIII

 上級魔法であり、このクラスになると宮廷魔導師に登用されるような高名な魔法使いしか使えない。

 氷属性アイシクルランス、カリアッハベーラetc

レベルIV

 超級魔法。伝説的な魔導師にでもならない限り、使えない難易度も消費魔力も高く、威力も地形を変えるような大規模なものになる。

 地属性メテオスォームetc

レベルV

 VもしくはV以上はもはや人ではない存在にしか使えない魔法とされる。消費魔力もずば抜けて高く、天変地異さえもを起こせる危険なものが多い。

 氷属性アブソリュートゼロetc



アイテムについて

天剣オートクレール(1話/5話~)

 三剣の一つで天の剣、他に地の剣と人の剣があると伝えられている。神々の時代に戦女神でもあるアスタルテの愛剣として、幾多の戦場を駆け抜けた水晶の刀身を持つ美しい刺突剣。

 見た目は刺突剣だが魔力を流すことで連結刃に変化する。その際は距離適性が近距離~理論上無限大になり、意のままに操ることが可能。


地剣デュランダル

 三剣の一つ。所有者も所在も不明。


人剣ジョワユーズ

 三剣の一つ。所有者も所在も不明。伝説によれば、統一王であるスレイマンが所持していたとされるが形状も能力も一切が不明。


ブリューナク(8話~)

 ライモンドが製作した戦術兵器。見た目は巨大なクロスボウにしか見えないが二つ搭載している人工魔動心臓アルケインハートにより、光の魔力で構成された長槍くらいの大きさのある魔法の矢を射出可能。戦術兵器というだけあって、その威力は絶大。


アーテル(8話~)

 リリアーナの愛馬。バイコーンと呼ばれる双角を有する漆黒の馬の姿に似ているが魔法生物であり、似て非なるもの。その為、バイコーンが非処女しか乗れないとされているのに対し、アーテルにそれは当てはまらない。ただし、女性格であるせいか、男に近付かれるのは気に入らないらしい。


炎剣レーヴァティン(16話~)

 ライモンドが雨宮ユウの為に製作した青い人工魔動心臓アルケインハートが組み込まれた大剣。片刃で特殊な形状の剣、つまり大型の斬馬刀や大太刀に近い日本刀。

 炎剣の名の通り、刀身に炎を纏わせる魔法剣として使われることが前提なのも特殊なところである。


レライエ(17話~)

 ライモンドがリリアーナの為に製作した紅い人工魔動心臓アルケインハートが組み込まれた大鎌。形状としては武器の種別に入るものだが武器と言うよりも魔法使いが持つ杖に近い扱い。ただし、鋭利な刃が付いている分、殺傷能力は高くなっている。


三叉戟トリシュラ(27話~)

 穂先が三つ又に分かれた三叉戟トライデントの一種。刺突と切断に加え、打撃も可能な三つの属性を使い分けられるものの扱いが難しい武器。

 元々はアイテムコレクターとしても知られるイシドールが集めた珠玉の逸品の一つ。


長蛇号ヨルムンガルド(29話~)

 アイテムに入れるか微妙なところのロンディア侯アラーリックが配備した新造艦。偽装により、見た目は魔導砲すら装備していない大型の戦列艦を装っているがその内部に秘蔵された銀色の船体は流線型でどちらかといえば、潜水艦に近い見た目をしている。艦橋や可動式の魔導砲を備えているだけでなく、翼のように側面から出ている鋭いラムと船首に装備された曲刀のようなラムによる突撃攻撃も得意としている。


種族について

エルフ・ダークエルフ

 妖精の亜種。人間よりも長命で美しい容姿で知られ、古エルフエンシェントエルフと呼ばれる不老不死に近い寿命と高い能力を有するエルフの中の王族も存在。ダークエルフは南に住むエルフの蔑称であり、見た目など差異がある訳ではない。


人狼ルガルー

 いわゆる狼男。狼系の獣人。人→獣人→獣の三形態に変身が可能な獣人の一種。戦闘能力が高いことで知られ、傭兵や暗殺者などでも高名。アンヌマリーの属する影牙族シャドーファングやアモンの属する銀牙族シルバーファングが知られている。


竜人ドラゴニュート

 ドラゴンの眷属とされる二足歩行の爬虫類に良く似た獣人。同じ爬虫類系の獣人として知られるリザードマンがいるが一緒にされるとプライドが傷つけられるらしい。フュルフールの属する白の大盾ルフスアイギスが知られている。


コボルト

 一般的には魔物として扱われている犬系の獣人。人狼ルガルーなどのように変身できる訳ではなく、常に犬のような頭部に人間の子供くらいの背丈しかない獣人態のまま。


ミュルミドン

 軍隊蟻がリリアーナとの魔法の契約とその魔力を帯びた血を浴びたことにより、急速進化して二足歩行型の獣人となったもの。蟻に似た頭部と強固な外骨格と生まれながらの戦士であり、高い戦闘力を有する。感情の類がないように見られ、まるでロボットのよう。

 元の個体の差なのか、能力に差異が出るらしく、高い能力を有するナイト種とそれ以下の平均的な能力のソルジャー種が存在する。


ディープワン

 深き者とも呼ばれる混沌の軍勢の一角を担う凶暴な肉食の魚のような頭部に全身を鱗で覆われた外見の獣人。主に槍を使った戦闘を得意とする。

 仕える神に忠実な存在でもあり、その行動は神を顕在化する為だとも言われている。


グレイヴン

 潜む者と呼ばれる混沌の軍勢の一角を担う鼠に似た頭部と小柄な人間くらいの背丈の獣人。古の昔より狡猾で凶悪な魔物として知られていた。



神々について

 現在、世界各地の国の王族、高位貴族は七十二柱と呼ばれる神々の子孫を称している者が多い。

 古の昔、かつて人がまだ、未開の野蛮な部族であった時代に高度な文明を築き、世界を制していたのは古代種と呼ばれる現代人と違う種族だったと言われている。彼らは優れた文化と技術を有するだけでなく、長命で特殊な能力を使えた。彼らの影響で人は文明を築き上げ、やがて敬意を込め、彼らを神と呼ぶようになった。

 混沌と呼ばれるこの世界と相反する存在が世界を蝕み始め、それに抗い人と共に戦った神々が七十二柱である。そのせいで子孫を称する者が多くなっているが実際にその血を絶やさず継いでいる家も少なからず存在する。


アスタルテ(1話~)

 七十二柱の一柱。緋色の乙女。現代では愛の女神として信仰されているがその真名を知る者すらいない女神。皇祖。


バール(未登場)

 七十二柱の一柱。遥か高き天の主。現代では嵐と慈雨の神として信仰されているがその真名を知る者すらいない神。皇祖。アスタルテの夫。


エレシュキガル(2話~)

 冥府の女王にして死の女神、冥界を支配する者。現代においては恐ろしい姿をして、魂を喰らうと伝えられているので本人が知ったら…間違いなくキレる。

 ブリュンヒルデやニーズヘッグを過保護気味に甘やかして、育てた張本人。


ブリュンヒルデ(2話~)

 愛称はヘル。燃え盛るヘルと名付けられた冥府生まれの半神半人。現代において冥府の女王として知られているのはエレシュキガルではなく、ヘルの方。


ナムタル(未登場)

 冥界の宰相として知られる冥府の女王に仕える下級の神。有能な官僚であり、実務はナムタルなくして成り立たない程。


サーベラス(3話~)

 エキドナの子。冥府に下り、冥府の番犬と呼ばれる守護兵になっている。見た目は漆黒の毛皮に覆われ、体長が5mほどもある巨大な狼。ただし、頭は一つであり、三つはない。むしろ「三つにした方が強くない?」というエレシュキガルの魔改造を拒否しての一つ頭らしい。


レライエ(15話~)

 七十二柱の一柱。癒しの力で知られる女神。その権能から現代においても信者の数は多い方である。小柄・垂れ目の狸顔の癒し系。


サタン(3話~)

 試みる者と呼ばれ、神々の人柱と思われる。見た目は少年のように見えるものの神々の時代から生きている存在だけに実年齢は不明。性格はものすごく悪そう。


アスモデウス(未登場)

 七十二柱の一柱。力ある武人として知られた神。威厳があり、騎士然とした貴公子だったがただ一人の女性を一途に想い続けたことでも知られる。しかし、その権能は色欲という正反対のもの。



モンスター辞典

ミルメコレオ(4話~)

 獅子の上半身と蟻の下半身を持つ合成魔獣キメラ。グリフォンやスフィンクスなどと同じく幻獣という扱いを受けている。想像上の生き物と考えられており、実在が確認されたことがなかった。


ニーズヘッグ(30話~)

 光が届かない冥府で育った闇色の鱗をしたエンシェントドラゴン。十二竜将の一角を占め、エキドナの支配域である南地域に属する。黒き災厄、大いなる災厄、毒竜などとも呼ばれ、恐れられている。

 エンシェントドラゴンとしては若い部類だが巨大な身体に三対、六枚の翼を有し、地上でも空中でも高い戦闘能力を発揮出来る。元々は特に特徴のないブラックドラゴンだったのをエレシュキガルが力を与えた結果、翼は四枚、六枚と増え機動力を増し、前腕も強大化し巨大な鉤爪を備え、全身に毒を帯び、発射可能な棘を生やした。猛毒及び酸性のポイズン・ブレスとアシッド・ブレスが武器。


キリム(34話と35話の間の閑話~)

 ミクトラント大陸の南西部火山地帯に生息する金色の魔竜。十二竜将の一角。前腕が発達しており、巨大な翼と一体化しているので飛竜のようにも見えるが最大の特徴は頭部。七本の長い首と七つの頭を持ち、それぞれに巨大な一本角と真っ赤な単眼を持つという奇妙な外見をしている。

 最大の武器は火属性の攻撃を受け付けない強固な金色の鱗と牙で発火させ、放射する拡散性のファイア・ブレスである。


ハイドラ(40話~)

 ヒドラとも呼ばれるが多頭竜であるヒドラとは別の存在。別次元では神と呼ばれていたが姿は蛇のような長い胴体に頭と首の代わりにハイドラが奪った犠牲者の上半身が生えているという悍ましいものである。また、降臨には多数の命を捧げる必要がある。物理攻撃でも魔法攻撃でもなく精神攻撃により、心を壊した者を物理的に喰らうのが特徴。

 帝国歴1283年のアルフィン動乱の原因であり、過去に何度も七十二柱と交戦している為、邪神とも呼ばれている。帝国歴1293年にアルフィン湖に再降臨している。

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【完結】元冥府の女王様は現世で幸せになりたい 黒幸 @noirneige

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