反動と整形外科(140字小説)
塩塩塩
反動と整形外科
男の顔は世界一彫りが深かった。
「これが先週の私です」
写真には真平らな顔の男が写っていた。
「何にでも反動はあります。
私の平面顔が極まった時、反動で突然彫りが深くなったのです」
彫りの深い人の話は説得力が高まるのだ。
男の話に頷き過ぎて頚椎捻挫する者が続出し、整形外科はパニックになった。
反動と整形外科(140字小説) 塩塩塩 @s-d-i-t
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