魅惑の方程式
昨日と今日が混じる朝焼け、陽が射し込んでキラキラと光る海、山頂から臨む夜景…
綺麗な光景、といわれて、各人想像するものがあるだろう。
朝焼けも海も夜景も、私の好きなものだ。
だが私は、それよりも最高の光景を知っている。
これに勝るものは、ない。
ホイップクリーム×蜂蜜=至福
この方程式は、私のなかで崩れることは絶対にない。
人間、未来永劫変わらないものなど決してないと思っているが、これだけは変わらない自信がある。
白く高く巻かれたホイップクリーム。
これでもかと、その上から蜂蜜をかける。
エフェクトをかけたかのように、蜂蜜は輝くのだ。
今すぐに食べてください、と言わんばかりに。
後には戻れないと分かっていても、喜んで食らいついてしまう。
先日あるテレビ番組を見ていて、「ピザがエロい」という発言があった。
なに言うてんねん!
…いや待て、私の蜂蜜がけホイップクリームへの気持ちと同じでは…!?と気付いてしまった。
非常に官能的。魅惑的。
ホイップクリームは見るからに柔らかそうであるし、蜂蜜の輝きは美しさしか感じられない。
「エロい」と至極簡略的に表現されてはいたが、きっとあの出演者だって、ピザの魅力に惑わされてしまったのだろう。
赤ちゃんは自分の世話をしてもらうために、「可愛い」と思ってもらえるような造形をしているらしい。
生物として、本能的に生まれつき備わった力だ。
そう考えると、「おいしそう」「食べたい」と思わせ残さず食べてもらうことは、食物にとって本望のはずだ。
非常に理にかなっている。
こんなおいしそうなもの放っておけない。太ったっていい。今すぐに味わいたい。
私を惑わせる、ホイップクリーム×蜂蜜。
好きで好きで仕方がない。どうなってもいい。とにかく一緒にいたい。
…駆け落ちだってできる気がするくらい、私は夢中だ。
なぜなら、こんなにも私を幸せにしてくれるものは、これ以外にないからだ。
リスクさえも背負える。
想像するだけでにやけてしまう、それくらいの魅力がある。
だから私は今日、ジムに入会したのです。
一生魅了され続ける覚悟が、伝わるでしょうか。
【文章を書いてみる】2020年10月 夏木りょう @h830s711
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