花火の祝砲ーたこ焼きが癒してくれたー

　夏祭り。３日続くそのお祭りには多種多様な的屋や屋台がある。
　気合の入ったやんちゃ・元やんちゃと思われる方々が出店している中、可憐そうな女性一人で出店しているたこ焼き屋があった。
　そしてそのたこ焼き屋に３日通い続ける少年。

　今日は祭り最終日、祭りの最後の３０分から近隣の河川敷で花火大会が行われる。
　花火師の趣味で最後の数発では毎年いろいろな文字が咲く花火が打ち上げられる。


　「へい、らっしゃい！」「何玉入りにしやすか？」「ちょ、そこ順番抜かししよると綾瀬川に沈めっぞ。」

　少年を失恋とクラスからのハブられるという心の氷を融かした彼女のたこ焼き。
　酷い振り方をした幼馴染なんか忘れて、彼女に惹かれた少年に夏の暑い日に春はくるのか。

　※そう遠くない昔、綾瀬川は日本で一番汚い１…続きを読む