第10話:幼馴染だった




 菫が立ち去った後、着々と女子たちが教室へと戻って来ていた。



「あ!?迅くん戻ってるよ!!」

「え!まじ!?ほんとだ!!」

「迅くーーん!!!」

「我、迅早急求」

「えぇ…中国語っぽく言うな」



「うわばばばば……」



 次々と迫り来る女子たちに恐怖を抱いていた。


 こ、これは某壁を壊され、大きい人食い人間が迫り来るが如く……。



 だがそんな中で救世主が現れた。



「おいおい、迅が困ってるだろ?少しは迅のことも考えろよ」



 忍が助けてくれたのだ。あらやだ惚れちゃいそう。



「忍……助かったよ……」


「いいってことよ、困ったらいつでも相談するんだな!(面白い出来事が聞けるから)」


「忍……」



 火乃香と同じように頼れる人ができたぜ……。


 これで安心安全!



 と思ったのもつかの間。



「鳴瀬……」


「あっ……さっきの……」



 俺の隣の席の女子も帰ってきていたみたいだ。



「えっと、その、あのーー……」



 き、気まずい……!一番最初に告白された人だし、なんか気まずいッ!!



「さっきはごめんね。いきなり」


「え?」



 帰ってきたのは案外普通な返事だった。



「あー……。俺もいきなり逃げ悪かった」


「そういえば自己紹介する前にあんなこ口走っちゃってたわね……。私の名前は“佐々木 凛ささき りん”よ。あなたの幼馴染よ」



 幼馴染だったか……。



「そうだったんだ……。で、でもなんでいきなり告白なんか……?」



 俺は気になっていたことを聞いてみた。



「それはね……。あなたが記憶喪失する前は素っ気ない態度を取ってたりして……。昔は仲良しだったけど今は疎遠になってて、唯一の“幼馴染”って繋がりもなくなったら私もうずっと鳴瀬と話せたりしないんじゃないかって思っちゃって……」


「………」



 えー……。そうだったんかいな。でもいきなり告白て、どないしましょー。


 あれ、なんで関西弁?



 とりあえず返事をしなきゃな……。



『だが断る!!』



 とか言えるわけないない。今この子涙目にもなってるし。



「とりあえず、告白は保留ってことにさせてくれ……。いきなりすぎてわけがわからないし……。じゃあ、凛。これからも幼馴染としてよろしく頼むぜ」



 俺は凛……凛って呼んでよかったのかわからないがそう呼び、頭に手を乗せてそう言った。



「鳴瀬ぇ…」


「えっ!?なんで!?俺が泣かせたみたいになってない!?」



 なぜかさらに泣き出してしまった。


 ど、どうすりゃいいんだよ!

 記憶喪失してよくわからない状況なのにさらに試練を与えるつもりかよ!!



 まあ……凛のことはわかったが、他の女子たちは怖いし、騙してきているかもしれないから注意しておこう。



 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄


この作品のスランプ期突入してました。


難しいんすよね〜。どうやって書くか……。



頑張って書くつもりなのでよろしくお願いします。(^_^;)

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【連載版】記憶喪失したら周りの女子達が告白してくるけど、俺は絶対騙されない! 海夏世もみじ @Fut1

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