じっとりとした世界観の衣でくるんだ、あくまでピュアな姉妹のお話でした。おばあちゃんの視点で読んでみると、また違った見方ができそうですね。よかったです。
とても魅力的な設定と世界観のお話です。そこに双子というキーポイントを使われることで、厚みのある作品になってるように感じました。特に私が魅力に思えたのは、おばあさんです。彼女の言動は祖母である以前に、呪術師や魔女としてのものに感じました。それは彼女も双子と同じように技術を身につけた上で、数多の経験を重ねてきたことを現しているとともに、生まれたときから妹だった真朱の朱音への想いをより際立たせているように思います。
祖母と共に、よからぬものを祓う双子の姉妹。祖母は優しく、彼女たちは無邪気で、それが日常だった。それが壊れて、失われた時、彼女は自分の本当の『信仰』に気付く。どうか『彼女たち』に救いがあらんことを。