第9話 1年4組 Ⅰ
入学式が終わり1人1人に自分のクラスが書かれた紙が配られた。
「この後自分の組のクラスに移動してもらいます。クラスについたら担任の先生が来ますので全員が揃ったところでホームルームを始めて下さい。それでは移動を開始して下さい」
生徒会長の合図でみんなが動き始めた。
湊も移動を始めようとした時、風花が声をかけてきた。
「湊何組だった?」
風花はそわそわしながら湊のクラスを聞いてきた。
「俺は4組。1年4組だった」
湊が答えた瞬間風花が満面の笑みを浮かべてきた。もしかすると、と湊は心の中で思っていた。
「私も4組だったよ!一緒だね」
湊の思いは見事に的中した。やはり湊と風花は同じクラスだった。
(本当に長い付き合いになりそうだ)
こんな話をしているうちに他の生徒はすでに移動を始めていた。
「湊、私達も早く移動始めよ!置いてかれちゃうよ」
風花は終始笑顔だった。湊と同じクラスになれたのが嬉しかったのか、クラスメイトに会えるのが楽しみなのか分からないがテンションが上がっているようだ。
「はいはい」
湊は風花のテンションについていけなかった。
こういう学校では強さ順にクラス分けされるのが普通だがこの学校は違う。回復魔法を使える者を均等にクラス分けをしているだけで、それ以外の者はランダムで振り分けをされている。そのため稀にクラスの強さが圧倒的に違うこともあるがほとんどは同じくらいになる。
ようやく湊と風花も教室の前まで着いた。
2人で話をしていて移動が遅れたため教室に入った時はすでに他のみんなは自分の席に座っていた。
1年生は全部で4クラスに分かれている。そして推薦者と合格者合わせて80人が入学したため、1クラス20人に分けられている。
クラスの座席は縦5列横4列になっている。
湊は教卓から見て左から2列目の1番後ろの席だった。そしてその右隣が風花だった。
「湊、席もとなりだね!よろしく!」
「あぁ、よろしく」
そして湊と風花が教室に入ってすぐに先生が教室に入ってきた。
「私が1年4組の担任になった
とても美人な先生だがどこか気が強そうだった。
「1年生はランダムでクラス分けをされているが、2年生になったら実力順でクラス分けがされる。1年間はクラスメイトとしてまたライバルとして頑張って生活して欲しい」
先生が放った一言でクラスのみんなの目の色が変わった。どうやら先生は馴れ合いをさせないようにしているらしい。
(あの先生何か試しているな・・・・・・)
この先生の態度に湊はどこか違和感を感じていた。
この世界を終わらせるまで〜復讐の魔法使い〜 kuro @Kuro-o
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