第52話
母さんの用意してくれたご飯を食べながら、今までどこにいたのかについて正直に説明した。
異世界に行っていたなんて信じて貰えないだろうと思っていたが、最後まで母さんは話を聞いてくれていた。
話終わったあとに、
「その話が本当だっていう証拠はあるの?」
と聞かれたので、俺は近くにあった金属製の置物を片手で粉々にした後魔法で修復させた。
「こんなこと、この世界の人にはできないでしょ?」
母さんはしばらくその光景を見て呆けていたが、冷静さを取り戻した後に
「確かにこんなこと出来るなら異世界に行けたって話を信じるしかないわね。」
そう言ってくれた。
「じゃあ、信用してもらえたってことで早速さっき話した俺の仲間も連れてくるよ!待ってて」
そして、皆のところに戻った。
「ただいま~、ごめんね待たせちゃって。」
「いえ、全然待ってないですよ!それより、信じて貰えましたか?」
心配そうにカンナが声をかけてきた。
「うん、魔法を見せたら驚いてたけどすぐ信じてもらえたよ。
それで、皆のことも紹介したいから。」
そして、皆を実家に連れて行った。そこでは色んなことがあった。
ハイエルフやドラゴン娘、剣の少女を見て腰を抜かしたり、父さんが帰ってきて風呂に入ろうとするとティルと鉢合わせしたり、ティルやフロッティが近所の子供達のチャンバラごっこに使われたり等々、ヒヤヒヤすることも多かったが、大切な家族と仲間の両方と一緒にいれる幸せな時間だった。
実家でゆっくり過ごし、異世界に持っていきたいと思っていたものの準備がある程度できたところで、
「じゃあ、また異世界の方に戻るよ!」
と父さんと母さんに告げた。
二人とも、寂しくなるけどまたいつでも戻ってくるんだよ!と笑顔で見送ってくれた。
「主様のご両親はやはり立派な方々でしたね!」
「うん、いっぱい抱きしめられたり、頭なでてもらった。
お母さん以外にあんなことされるの初めてだったけど、いいものだった。」
親のことを良く言って貰えると嬉しい気持ちになるな。
「ありがとうね、そう言って貰えると嬉しいよ!」
素直に感謝の気持ちを伝えた。
カァカァカァ
ん?なんだ?
何か外から鳥の鳴き声のようなものが聞こえてきた。
外に出てみるとカラスみたいな鳥がこっちに向かってとんできた。
……あ!もしかしてカイムの言ってた伝書鳩か!鳩じゃねーじゃねーか!
そんなツッコミをしているとカラスの口から興奮気味なカイムの声が聞こえてきた。
「おい!遂にダンジョンの場所が分かったぞ!聞いて驚け、ダンジョンは空中に浮いているんだ!」
な、なんだってーー!って驚いてあげれれば良かったんだが。
もう見つけるどころかクリアしてるんだよなぁ……
でも、すごい自慢気に言っている手前そんなこと伝えづらいな。
ていうかこっちの声もカイムに届くのかな?
なんて考えている間にティルが回答してしまう。
「何言ってるの?もうダンジョンはクリアしたわよ!」
「え?もう見つけてる、じゃなくてもうクリアしただって!?
早いわ!なんで俺が死に物狂いで探すよりクリアする方が早いんだよ!
はぁ~、もう泣きたい。」
ほら~カイムが落ち込んじゃったじゃん。
「いやいや、あのー、その、ほら!なんか、おかげで助かったよ?」
「なんもねぇなら無理にフォローすんなよぉー!」
俺のフォローがカイムをさらに傷つけてしまったようだった。
「まあ、俺達はこれでダンジョン全て制覇して当分の目標はなくなったわけだけど、カイムはこれからどうするつもりなんだ?一緒に冒険はほとんどしてないとは言え一応俺達のパーティーなんだし一緒に暮らすか?」
これは別に気を遣ったわけでなくそうしてくれると嬉しいなという俺の願望だった。
しかし、
「辞めとくよ、お前がよくても周りの女共がそれを嫌がるだろうし、
俺は一人でフラフラしながら生きてくぜ。まぁたまにそっちに顔出すくらいはするさ!」
そう断られてしまった。
伝書鳩ももう要はないとばかりに去ってしまった。
少し寂しかったが仕方ない。
それよりも、前から異世界へ戻れたら行おうと思っていた計画を始めることにした。
「皆、ちょっとの間俺は一人でこっちとあっちの世界を往き来するけど気にしないでくれ!」
そう言い早速準備に取りかかった。
まずは皆と暮らせる用の大きい屋敷を買った。
今までのクエストで得たアイテムを2割ほど売っただけで、大白金貨何十枚ふんになったので、それの数枚をはたいて人間の国で一番良い屋敷を買った。
そして、次に異世界に戻り、大量の金貨や白金貨、宝石等を換金し、発電所と電柱、その他家に電気をひくようの備品等を買い込んだ。
もちろん、こっちの世界で電気を使えるようにするためだ。
ゲームや電化製品を使うには必要不可欠だからな。
そして、こっちの世界に丸々持ってきて、二、三日の準備を行い電気を使える環境を整えることができた。
我ながらよく頑張った!今度は電波とかネット環境を整えれるようにしたいがそれはまた今度でいいか。
ちなみに、皆は何でこんなことしてるんだろう、と口々に言っていたが、電化製品を使う所を見せると目を輝かせて喜んでいた。
やはり現代の科学は世界一ィィィ!!
こうして、充実感に浸りゆっくり休もうとしていた時、
「お待たせ~!やっと仕事が一段落ついたよー!」
天使様の声が聞こえてきた。
「お疲れ様です!
そう言えば前に聞きそびれていたんだすけど、願い事っていうのは何なんですか?」
俺がそう言うと、
「今回はそれについて良いにきたんだよ!
私の願い事はね、私を君のそばに置いてほしいんだ!」
その告白は俺を驚愕させるには十分な告白だったが、自然と返事することができた。
「はい、もちろん!大歓迎ですよ!」
その瞬間、空から女の子が降ってきた。
あっと言う間に俺の前まで来ると、
「こうやって面と向かって会うのは久し振りだね!
それじゃあ、私のことよろしくね!」
満面の笑みで言った。
その笑みはここにくる前の神聖な雰囲気の笑みとは違い、恋する乙女のような笑みだった。
俺と天使様が外で話をしていると、皆も俺達に気付き外に出てきた。
「あー!また翔さんが新しい女連れてきてる!」
「主様ー!私は何番目でもいいので側に置いてほしいですー!」
「翔…節操なし」
「あの神聖な雰囲気、まさか……」
「アハハ、翔さんったらまたとんでもないお方を連れてきましたね。」
三者三様の反応をしている皆に俺は天使様を紹介する。
「紹介するよ!この人は、俺の
過保護な天使様だよ!」
こうして天使様を加えて多くの冒険や楽しい日常を送るのだが、それはまた別のお話。
後書き
皆様、ここまで読んでいただき誠にありがとうございました!
色々至らぬところがあったかと思いますが、それでも呆れずにお付き合いして下さった読者の皆様、そして感想や評価をしてくださった方にはもう感謝してもし足りません!
今後もまた別の作品を投稿したいと考えておりますので、その時も読んでいただければ幸いです。
それではまたどこかで、お会いしましょう。
スキル「難易度変更」を選んだおかげで過保護な天使様に気に入られた結果、加護盛り盛りで夢の異世界チート主人公に!! Vtuberをまとめてぇてぇ @Vtuberwomatometete
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます