王道を地でいく物語。ひたすら主人公の内面に特化した形になっているのが、思い切りがあって大変良い。 急上昇と急降下が繰り返し繰り返し迫るような感覚が古典的であると同時に斬新な刺激をもたらしている。 題名も、読者へズバリまっすぐに突き入れる明瞭さがあって作品を盛り上げている。 是非とも主人公を応援したい。 必読本作。
主人公が告白の手段に選んだのは手紙。LINEでも直接伝えるでもない。その溢れんばかりの想いは、手紙を書く前から十分読者に伝わるはず。少女の真っ直ぐな心を余すことなく伝える美しい文章が、手紙を書く前、書いている時、書いた後、そして意中の彼を呼び出す時、彼が来るのを待つ時、どの時もきらきらした世界を見せてくれる。恋ってこんなに素敵なこと!読み終わった後も、主人公と同じどきどきした気持ちでいっぱいに。そして、最後は読者の想像に委ねる。見事!