シンプルなストーリーを支える見事な設定

「オオカミ少女」というタイトルにあるように、オオカミ少年をモチーフにしたようなシンプルなストーリーが話の中心になります。誰かに守られるべき少女が、その武器を自らの失敗で失くしてしまうことがいかに愚かなことなのか。
 この話の面白いところは、そのストーリーを現実的にするためのしっかりとした設定だと感じました。少し年の離れた姉への対抗心、年頃な少女たちの人間関係、通学路での大人たちの対応。とくに最後になぜ青いポロシャツを着ていたのか。それを思うと、作者は全体をとても考えてつくったのだと感じました。