バッドエンド1
桜舞う木の下。今日、僕はラブレターを貰った。初めてのことで大変どきまぎする。もうすぐ約束の時間だ。
「
僕はラブレターを読み返し、トタトタと足音が近づいてくるのに気付き、手紙を鞄にしまう。手紙の主だろうか?からかわれていなければいいのだが。
「もう始まっているんだよ。早く私に辿り着いて」
どこからともなく声が頭に響く。そして、空間が歪むと表現するのが正しいのか?白昼夢でも見ている気分だ。黒い何かが近づく、僕は動けずに飲み込まみこまれた。
「!?」
リュウキュウツミが勢いよく翼を羽ばたく、北東から冷たい風が吹き、木々が大きく揺れる。蓮也は氷水をかけられたような感覚とともに我に返った。
「今のは何だったんだ?」
周りをキョロキョロと辺りを見回す。なにも変わらない、いつもの景色だ。そこに手紙の差出人が現れ、蓮也はビックリした。
「あ、蓮也君。待たせちゃったみたいだね。ん?どうしたの?私の顔に何か付いてる?」
「いやなにも」
「なら良かった。それとごめんなさい遅れて。でも来てくれてありがとう。自己紹介するね。私の名前は
蓮也は疲れているのだと自分に思い込ませ、気を取り直した。枝里の顔を見ると、自分の好みの顔であり、こんな可愛い子が僕にラブレターを?
「僕は紹介しなくても大丈夫だよね」
「もちろんです」
「えっと、付き合うってことでいいんだよね?」
「はい」
蓮也は照れくさそうに肩をすくめる。
「私、蓮也君が好きです。是非お付き合いをさせてください」
「正直手紙を貰ったときはビックリしたけど、こんな僕でよければ」
「なら死んでください」
「ハッ?え?」
蓮也はナイフで胸を刺されていた。流血が辺りに広がり、何が起きたのかわからなかった。刺された箇所が焼けるように痛く、息が苦しい。しかし、まだ終わりではない。枝里は僕を押し倒し、馬乗りになると蓮也の体をナイフで滅多刺しにする。
「ヒューヒュー」
息が出来ない、痛い。僕は朦朧とする意識の中、彼女の顔を眺めていると、何故か真っ黒であることに気付いた。僕の意識は、そこで途絶えた。
僕は明日、君に殺される 七星北斗(化物) @sitiseihokuto
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。僕は明日、君に殺されるの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます