最初に申し上げておきますが、この作品には作者様の「好き」と「こだわり」がこれでもかというほど詰め込まれています。序盤からフルスロットルです。
それがイイ!と思われた方はハマりますし、そこについていけない方は目が点(・・)になるかと思います。
VRのテクノロジーが進化した未来の世界では、騎士は一種のスポーツであり、一大エンタテイメント。ホログラムで現れる武器は、打ち合いの衝撃も、刃こぼれさえも忠実に再現します。
騎士らしい剣術だけでなく、古今東西の武術をベースに、様々な武器を駆使して繰り広げられる技の応酬は見応え(読み応え)あり。
こだわりは戦闘だけではありません。それにも増して重視されるのが、選手たちのヴィジュアルです。色調は? 形状は? そして、チラなのかモロなのかといったところまで、抜かりなく詳細が盛り込まれ、精確に読者の脳内に再現されます。
それゆえに一話あたりは長めですが、己が信念を曲げずその道を求める作者様の姿勢も天晴れです!
「姫騎士」の二つ名をもって、仮想現実での剣戟競技「Chevalerie」で頂点を目指す少女、ティナ。彼女は同じく剣戟競技で腕を磨く京姫や、底知れぬ実力を隠し持った中華娘の花花らと切磋琢磨しながらも、青春の日々を謳歌していく。
美少女たちが乱れ咲く、圧倒的な剣戟アクション! 彼女たちの試合を実現するVRやAR、MR(複合現実)の技術を始めとして、細かく分析された未来社会がリアリティを持って描かれている。作者の知識量の深さが垣間見える描写も多々あり侮れない。
真剣勝負もあれば、悪党退治もあり、観光もするし、グルメも堪能する。バラエティ豊かな切り口も魅力。