国際警察特別犯罪対策課

銃好きのクソ野郎

第1話 オキナワ

1


 2025年


 『那覇国際空港へ到着致しました、荷物のお忘れにご注意ください』


 息を吸って叫んだ。


 「来たぜオキナワー!」


 俺は南野 錬児。


 両親が日本人とイギリス人である。


 「うるさい」


 頭を叩かれた。痛くはない。


 そしてこいつが相棒の谷川 鋭鬼


 相棒は両親とも日本人。


 今回日本に戻ってきたのは15年振りである。


 「キレイな海に、色んな人...最高だなぁ。普通に観光したいよ」


 「犯人葬ったらな」


 俺たちは国際警察特別犯罪対策課の刑事。


 相変わらずキレイな国、ニホン。この国は非核三原則という核兵器反対運動があるらしい。


 ……今回はそれを破る輩がいるからオキナワに来た。


 「さっさと行くぞ」


 「はーい」


 ここはエントランスホール。様々な人々が行き交っている。


 「こんな堂々と犯人いるとは思えないんだけど」


 「あそこ見てろ」と指さす。


 指さす先には金属探知ゲート。


 「……ガン待ち?」


 「そう」


 えー、つまんないの。


 「少し見ててくれ、俺はトイレ行ってくる」


 「えっ?さっき行っただろ?」


 「…銃の準備だよ。お前さっきやったろ」


 「あー、分かったよ」


 相棒が向こう側のトイレへ走っているのを見届けて金属探知ゲートを見続ける。


 ……案外来ないね。やはり嘘の情報なのかな?


 「………!」


 「外交の翻訳員を呼んでください!」


 なんだあの連中。


 5人。明らかに雰囲気が違う。


 職員が翻訳員を呼ぶ中ズカズカと金属探知ゲートを無視して外に出ようとする。


 「お客様、ゲートを通ってから……」


 ───カチッ。


 ハイ金属音。こいつらだ。


 俺は腰のホルスターから銃を抜き、連中に向ける。


 発砲。見事命中。


 「………!……!!!」


 何言ってんだあいつら。


 向こうも銃を抜き撃ち返してくる。


 すかさず俺は柱に隠れる。


 「…チッ、UZIか」


 『おい!銃声聞こえてるけど平気か!』


 「1人殺った。さっさと援護来い」


 『了解』


 向こうは3人UZI、1人ハンドガン(恐らく)もう1人はの運搬か。


 別のところから銃声が鳴り響く。


 「悪い、遅れた」


 「メンテ下手くそか」


 「生憎こっちは...リボルバーなんでね!」


 見事脳天をぶち抜いた。


 「…ッあぁぁ、痛い!」


 「そりゃリボルバー片手で撃つとそうなるだろ」


 あと2人。どうするか?


 「25…17…8…0!今だ!」


 同時に柱から男の頭を抜く。


 頭からキレイな鮮血が飛び散る。


 「あとは運び屋だ」


 「………待て!」


 運び屋。と思われる男が腰から出したもの。それはショットガンだった。


 M870…!なんで運び屋がショットガンなんて持ってんだよ!


 相手は引き金に指をかけた。


 ……死。それを確信した。


 すると相棒が。


 「───ユウコ!撃て!」


 『任せて!』


 その瞬間壁に穴が開き、男の頭を吹き飛ばした。


 「し、死ぬかと思った……」


 「大丈夫か」


 『当たったー?』


 「あぁ、ナイスショットだユウコ」


 『あっ、ついでに言うけど警察来たよ。じゃ、私はこの辺でじゃーねー』


 無線が切れる。


 「……ユウコか。カバーナイス」


 「錬児。それより……」


 「「運び屋の中身だな」」


 運び屋のバックを引っ張る。


 「鍵…探すの面倒だから銃使うか」


 銃で鍵を撃つ。


 「空いた…けど服とかばっかりだな」


 バックを漁る。


 「……これだ」


 「それって……」


 そこにあったのは小さなケースだった。


 「X線非透過のケースか」


 「うわぁぁ...書いてあるじゃんか」


 ケースには「トリアツカイチュウイ」、「Danger」と書かれていた。


 「開けまs「待て」


 何か機器を向ける。


 「………!」


 「どうした?」


 「これ中身ヤベぇよ。本部に連絡しろ!」


 「だから中身なんだよ」


 「……だ」


 その瞬間俺たちの周りの空気が凍りついた。


 「…い、イエローケーキって言ったか?」


 「あぁ...相当マズイ」


 イエローケーキ。それは放射線を放つ危険な物質。


 ……簡単に言えばである。



……………



2


 「―――と、言うわけで本件は我々、国際警察が担当します」


 「じゃーよろしくー」


 「どういうことか説明してもらっていいか?」


 「今回の事件は国家機密に値します、あなた達、日本の警察が知る必要はないはずです」


 辛辣だな…鋭鬼。


 「…ぐっ、せめて死者や情報を少しでもいい、教えてくれ」


 「………わかった。今回の事件で46名が死亡しました、負傷者は多数、従業員も大半が死亡、負傷しました」


 「犯人は?」


 「俺たちが殺った」


 そう警察に告げ、こっちに戻ってきた。


 「……この国に核が持ち込まれたなんて明るみに出れば暴動が起こることは目に見えてるだろ」


 「まぁねー…」


 鋭鬼の携帯が鳴る。


 「…ユウコか。なんだ急に」


 『警察来たっぽいけど平気?』


 「まぁな。運び屋のやつイエローケーキ運んでやがった」


 『えっ、嘘でしょ』


 鋭鬼が黙る。


 『………なるほど理解したよ。本部には言ったの?』


 「あぁ。もうすぐ回収班が来る」


 『そうなのね。ところで錬児元気?聞こえてる?』


 聞こえてます。うるさいくらい。


 「ちょっとうるさいくらい聞こえてます」


 『あらそう?まぁいいわ、それより弾薬平気かしら』


 「お互いワンマガジンずつ残ってる」


 『了解〜、今度こっち来て。新型とスペアあげるから』


 「「了解」」


 鋭鬼が通話を切る。


 「まぁ...いつも通りだな」


 「せやなぁ...」


 その頃、外ではカラスの声とヘリのホバリングの音が鳴り響いたのであった。

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