第3話
暖かい………ていうか暑い……!そして眩しい………!
「ん……ここは………」
「あっ!やっと起きましたか!!」
俺が目を覚ますと、目の前には下乳と誰が見ても見惚れる、この世の者とは思えない、絶世の美女。そして太陽や木、草などが見えた。どうやら死なずに済んだらしい。
しっかし、なんとも美しいお尊顔。それはまるで、女神のよう……な………
……………………
「覚悟おおおおお!!」
そいつを女神と認識した瞬間。考えるより先に拳が動いた。
理由は明白。こいつのせいでここ2日だけでもとんでもない目にあったからだ。
そして俺の繰り出したグーパンは見事なまでに………空振りをした。
「あぶなっ……!」
そいつは俺の拳が届く前に立ち上がり見事に回避。
そして俺は……
「イッッッッッッ………!!」
また、後頭部を打った。
一体俺は、何回後頭部をぶつければいいのだろうか。
俺が後頭部を押さえながら半泣きになっているのを見ると、そいつは笑い出した。
「あっははははははははは!!自業自得ですよ!!!自業自得!ぷふーー!!」
俺は、グーパンを外した上、半泣きになりながら痛みで転がり回ってる姿を見られ、羞恥心が限界に達した。
しかし、俺は頑張って平静を装い、冷静にツッコミを入れる。
「おい、なんで笑ってんだ駄女神。」
そう、大笑いしていたそいつの正体は、俺を勝手に異世界に送り、挙げ句の果てに餓死寸前までに追い込んだ張本人の駄女神ことアマテラスである。
アマテラスは俺の言葉が気に入らなかったのか、見下しながら、こちらを指差し訂正を入れる。
「な!?駄女神ってなんですか!超優秀な女神ですよ!私は!!」
嘘つけ。
「ちなみに笑ってたのは、私がせっかく膝枕して介抱してあげてたのにいきなり殴り掛かってきたので、立ち上がったらあなたが後頭部を打ったからですよ!!ぷっ……!」
なんでだろう、膝枕されてもあんまりうれしくない。それどころか、イラッとくる。もう一回殴ったら当たるかな……初めて会ったときは顔を見ただけでドキッとしたのに。
しっかし、こいつ……ほんと懲りねえな…何回も笑いやがって。ていうかこいつ、攻撃当たらない加護でも持ってんの?俺の渾身のグーパン二回も外してんだけど。しかも二回とも俺の体になんらかの形で跳ね返ってきてるし。
「ところで、なんか言うことないの?ほら、感謝の言葉とか。森からここに運ぶの大変だったんですよ。後、膝枕も足は痺れるし。もう慣れましたけど。」
元の原因はこの世界に送ったこいつのせいなのに、何故俺が感謝の言葉を言わなければならないのだろうか。
しかし……危険な森から比較的安全な草原に連れ出してくれたのはありがたいし……
などと、感謝を言うか言わないか悩んでいると……ふと、ある事に気付いた。
…………ちょっと待て、なんでこいつ天界じゃないのにここにいるんだ?
「おい、駄目神、なんでお前ここにいるんだ?お前チート持ちのイキリ共をここに送るのが仕事なんだろ?こんなところに居ていいのか?」
アルテミスはその問いかけにおどおどしながら答え始めた。
「あのーですね……色々ありまして……天界から追い出されました…………」
え……?こいつなんて言った?天界から追い出された……?
………………
「ぶふーーーーーーーーー!!!!あっははははははは!!!なんでまた、また追い出されたんだよ。ふふっ……!」
俺はその場で、大笑いしながら転げ回った。
アルテミスは、顔を真っ赤に染めながら、頬を膨らませ『笑いごとじゃねぇーんだよ!』と言わんばかりに睨んできた。
…………数分後、俺が笑いすぎて顔が攣り、痛みと格闘していると、アルテミスが今にも天罰とやらで雷とか落としてきそうなくらい、今までに見たことがない恐ろしい形相でにらみ、続きを話し始めた___
太陽で世界を照らせ!! しばごん @keikeipon65
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