23スラ シン・入浴鯉者騙り スライムさん
良く寝たなぁ。
なんかさ、長いこと冬眠してたみたいな。
うん、気のせいだよね。
ボクワルクナイ。
でもよい子のボクは前回のあらすじを人々にお伝えしようと思います。
ほんじゃ、前回の~あ~ら~す~じ~
・ベルさん筆頭に、スライムさん、ぴよこ、ローズが森の小川をサラサラ行くよ。
・メダカとカニがコンニチワ。
・川エビがぴょこんたぴょこんた跳ねる。
・タニシ襲来。
・タニシ穴っぽこに放り込むベルさん。
・でかいタニシ遭遇。
・こいつ、しゃべるぞ!
以上。
本編どーぞ!
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でっかいタニシがキセル吹かしながらナンか言い始めやがります。
「次のー話がー一年以上待つとはーオラ思わんかったのう」
オイ、タニシ! 何メタいこと言いやがる!
スライムさんは不定期更新だから空白期間は数えないルールを知らんのか⁉
オマエ、待ち針ブッ刺して中身ほじくるぞ!
おっと。荒ぶってしまいましたがな。
ンッガ、ンンッ。
気を取り直「ホンとに長いこと更新しやがらなかったよな。ベルなんか鼻かんだティッシュがポッケのなかでカピカピになっちまってるぞ」てって、セリフ被せてくんなよスライムさん。
進行ってもんがあ「なんか長い夢を見てたようよね」るっちゅーか、ローズさん?
何でチミまで被せ「ねーね、おひるねする?」てくんの!ってベルさんまで⁉
もう地の文と「ピヨ~zzz(寝すぎ)」オイ!ぴよこ!割り込むな!
「今回はーオラの秘密がー暴かれる話だからのう」
「たみしのしみつ! なに?なに?」
「ベルさんや。こそあど言葉みたいになっとるがな。そもそもしゃべるタニシって説明以外いらなくね? こちとら、ナンでも出来るスライムさんにマッハ出るぴよこって強属性が揃ってんだからよ」
「むかしむかし、あるところに子供のない百姓の夫婦があったそうな」
「おい、タニシ! そのイントロはNGだろ!っつーかいきなり語り始めんなよ!」
「ピヨ?」 オメメパチリ キョロキョロ ピコーン ギラリンコ ジュルリ
「あら、ひよこさん起きたのね。このタニシは食べちゃだめよ?」
「ピヨ~」 ションボリ
「オラー田螺だけんど戸籍は人間だからよー。オラ食ったら殺人罪でしょっぴかれるんじゃー」
「たみしにんげんだった! すごいたみしだった!」
「何でタニシが人権持ってんだよ! ベクトルが明後日向いてんじゃねーか!」
「そうは言ってもよー。オラ人間から生まれたからのう」
「え⁉ タニシって人間から生まれるの? 初めて聞くわ」
「詳しくはー、まんがニポン昔お話しの第九回Bパートを見てくんろー。実質十八話じゃからのう」
「メタいハナシすんじゃねーよ。異世界だからニポン昔お話し持ってくんな」
「べる、にぽんおはなしみたい! えほんある?」
あのー、君タチ。勝手な雑談やめてくれません?
そんなに期間空けたの根にもってるんですか?
せめて地の文、アイダに挟ませて貰えません?
何か、タイトル回収できるか不安なんっスけど。
「すまんがー絵本はここにないんじゃー。たにし長者っちゅうお話しで調べてくんろー」
「たみしちょーじゃー! なんかかっこいい!」 キュピーン
「ベルさんや。ナンだそのヒーロー登場ポーズっぽいのは。戦隊モノっぽくなっちまったなぁ」
オマエら話聞けや‼つーか進行させろや‼
「へんたいもの! きゅぴーん!」
「ちょっとベル、変態じゃなくて戦隊よ。もう、そんなピョンピョンするからポケットからいろいろ落ちてるじゃない」
「あ、どんぐりでた」
スイマセン、ほんとうにスイマセンから! 地の文で進めさせて下さいおねがいしますホントおねがいしますから!
「ナンか天の声が聞こえてくんな。天の声なのに地の文とはこれいかにって大喜利かよ」
あ、ようやく反応してくれましたがな。スライムさんアザマス。
つーかさ、キャラクターと地の文が鬩ぎ合う状況ってどうなの?オカシクない?
レスバよりひどい状況よ、コレ。
「知らんがな。進めてえなら、はよせい」
そうっスね。進めさせて貰いますわ。え?ハイ、チャキチャキやりますんでオナシャス(古語)
「かっこいいぽーず!」
ベルさん、突然過ぎです。
いきなり右手を高く上げキュピーンと人差し指で天をツンツンするような。
脚を開き腰に左手当てたその姿は「勇者ポーズは敵をも魅了」と言う四十八の感嘆技に数えられる。
別名「ぐるぐる魔法陣から長い猫も出ます」だ。
いや、地の文復活したけどコレじゃない感。
ナニしてくれてんの⁉ベルさん!
ちょっと!何も無かったかのように落ちたドングリ集め始めてますが⁉
「だから早く進めろってんだよ」
ういっす、スライムさん。気を抜くと自由人が勝手に動くってことですね。
……判ってたハズなのに!判ってたハズなのにぃ~!
反省終わり。
今度こそ、気を取り直して始めまっするよ。
ベルさんに捕獲されたサザエ大のでけぇタニシ。何と流暢に言葉を話す上、人権あるって取り扱い注意ですがな。
そもそもキセル吹かしてノンキにしてる姿がやたら堂に入ってるカンジは……。
ヒモなのか?もしくはニート?
なんですか?ソコから始めるのかですって?
だってヤツらに説明させたらいつまでも終わんないざます。
地の文、たにし長者のお話し知ってるけど、印象はヒモでニートがナゼ長者?ってカンジ。
嫁さんもらって田んぼの世話をさせて、その脇でキセル吹かすタニシ。
タニシ大好きカラスの大群から嫁さんがタニシ守ったら何故か巨大化して人間出て来たと言う。
そんで、いきなりナンかの商売初めて長者になって、タニシ長者って呼ばれるようになったっちゅう後半斜め上の展開。
「ナンだ、おまえタニシ長者って。訳ワカラン展開だなぁ」
「しかたねーかのう。お話しの締めはー無理やりハッピーエンドねじこむ法則があるでよー。経緯もへったくれもないもんじゃー」
「ああ、幸せに暮らしましたとかって終わりになるのと同じなのね」
「たみし、おはなしおわりー?」
ベルさん、アナタ聞きたいって言ったのにほとんど聞いてませんですがな。ドングリ拾ってポッケにポイポイしとりましたがな。
「でも、そんな長者とかのタニシが何でここにいるのかしら?」
うん、ローズさんの言うことも判るよね。ぶっちゃけ脈絡ないもんね。
「おらー、でっかい魚にー喰われそうになってーここに逃げてきたんじゃあ」
キセル吹かしながらのたまうタニシ。緊張感?知らない子だなぁ。
しかし、タニシの移動速度と魚の遊泳速度はウサ蔵とカメ吉くらい違う摂理。
逃げらんなくね?
「おまえサイズのタニシを喰う魚なら随分とでかいだろ。タニシの足でよく逃げられたな」
ですよね~。スライムさん的確な指摘あざます。進行はかどります。
「そりゃーオラ、水神様に係わりがあるからのう。呪的法則っちゅーやつが働いたんじゃー。逃げるときにーオラのむかしお話しがー適用されてのう。お話しじゃーオラは魚に襲われるなんてありゃしねえもんでなあー。事象がーなかったことになったんじゃー」
ちょっと、タニシさん?このホンワカのんびりユルユルな世界にいきなり神話的物語構造ねじ込んまんでくれます?民俗学の領域侵犯しちゃってますがな。
「あー、なるほど。だからぴよこの食欲に警戒してたんか。物語が成立するカラスの置き換えでぴよこが当て嵌まるしな」
スライムさんまで⁉ちょっとベクトル違う会話を展開するのやめてもらえません⁉
わかってくれるかー、とか言ってるタニシと判り合っちゃうのカンベンしてください。
ほら、ローズさんがポカーンとなってますよ?
ぴよこがヨダレじゅるりとしてんのは変わらんですが。
あれ?ベルさん参加してなくね?ナニしてんのー?
つんつん
おふっ
「んふー♪」
ベルさん、その戦国刺突小枝で楽しそうにツンツンしてるのえらくデカイ魚じゃない?
水深一〇センチの小川から、だいぶ本体がはみ出してますが。
つんつん つんつん
おふっ おふっ
「んふー♪」
幼児ツンツン満喫中のご様子。
そりゃ、でっかい魚がゴロリと転がってれば幼児の注目集めるからねぇ。
「ちぃと、お嬢ちゃん! あんましツンツンせんでつかぁさい」
「でっかいさかま、しゃべったーー!」
幼児、小躍りし始めました。
両手はウサウサお耳でリズムよくおーしりフリフリ。
これはアレです。四八の感嘆技でました。
オトナのお店嬢へやらせたら逆に萎えちゃうコトもあるキャラメル断線、別名「バルサミコ酢やっぱいらへんで」と呼ばれるアクティブ系の技だ。
正規のおーしりフリフリを敢行するならば、アスリート並みに鍛えなければ全曲踊り切れない&息切れで瀕死となる。ある意味で悪魔の技と呼ばれる。
「え? え? またしゃべるの?」
「……(このパターン二連チャンはナイわー)」
「そいつにーそのままー小枝をブッ刺してほしいんじゃがのう。オラー、喰われそうになったからのう」
でかい魚、そんな混成他種族チームに取り囲まれてるカオス。
ベルさんのツンツン攻撃復活に「おふっおふっ」と、なんだか紅潮しながら眼が潤んできてますが。
「お嬢ちゃん、これ以上はいけん。わしゃぁ目覚めてしまいそうじゃ」
だまれ、魚。
「おい、魚。おまえナニもんだ。タニシ食おうとしてたそーじゃねーか」
スライムさんはいつもド直球です。ありがたし。
「鯉ですがなにか? そりゃ、腹が減ったところにタニシおったら喰いとぉなるもんじゃろ」
「キメ顔でナニ言ってやがる。鯉こくにしてオマエ食ったるぞ?」
「何あんたぁ言ぅとるんか? せっかくええ湯加減で半身浴しとるんに、気分悪ぅなるんじゃ」
「はんしんよくー! おいしくなるの?」
「ピヨ!(期待感)」
半身浴ってアンタ……。魚が半身浴状態って水が少なくて昇天一歩前だと思うんですが。
つーかベルさん、半身浴は調理法じゃありませんことよ?
ぴよこ、おいしくなるに反応すんな。
「この鯉も食べたらいけないんじゃないの……?」
ローズさん、言語疎通可能タイプは捕食対象外ではないかと、まっとうな教育を受けている様子のご意見です。
しかし、ここに居るのはまっとうな生き物じゃない方が多いという現実。
「そうじゃ、年上のお嬢さん。わしを食べるなんてとんでもないことじゃ」
「ローズよ、お魚さん。でもしゃべるタニシを食べようとするのはどうかと思うわ」
「そりゃぁ悪かったゆぅて思うとる。空を飛びよぉったらカロリーが一気に消耗したけぇ。食えるもん見かけて後は食うことしか頭になくなったんじゃ」
何気に無視できないキーワードぶち込むの止めてくれませんか、魚。
オマエ、浅瀬で瀕死っぽいのに空飛ぶとかオカシないか?
「さかま、おいしい! そらとぶ! しゃべる! すごい! 」
ベルさんがスライムさんの捕食宣言で魚を食べる気満々ですが。
「魚はーオラも良く食ったからのー。鯉こくはごちそうじゃー」
「タニシは甘辛醤油煮が合いそうだけどな。さっきからスライムさんセンサーがビシビシ味蕾を刺激しやがる」
「ごちそう! おいしそう!」
「ピヨ~」 オメメキラーン ジュルリ
「わし、喰われる流れから変わっとらんのんじゃぁあるまぁか」
「もうスライムさん。このタニシとお魚さん食べちゃだめでしょ」
全体的に会話が捕食者と捕まった獲物の駆け引きみたくなっとりますが。
ピヨコは完全にタニシと魚をロックオン。
「ちっ、しゃーねーな。とりあえず食うのは後回しにすっか。オイ、魚。おまえさっき飛べるつってたな」
スライムさん、さっきそっちのキーワードを先に拾って欲しかったんですが。
「わし、空飛ぶ種類の鯉じゃ。フライカープと呼んでつかぁさい」
「そんだと鯉の素揚げにならんか? 呼び名自体が食欲そそる系じゃねーか」
「オラー鯉の素揚げは食ったことないんじゃー。たのしみじゃのうー」
「タニシ、悪かったんじゃ。余りの空腹に動転しょぉったんじゃ。もう食べる気が無いけぇ、そろそろ許して貰いたいんじゃ」
「素揚げ……皮がパリパリしてそうなカンジになるのかしら」
「ぱりぱりはびすけっとよりぱりぱり?」
「ピヨ⁉ ピヨ~」 ヨダレダリリーン
ローズさん。さっきアナタ食べちゃダメ系だって言ってましたよね?タニシと魚の和解交渉中にポツリと破談になりそうなセリフぶち込んでますよ?パリパリにベルさんが反応しちゃってますから。連鎖反応でぴよこが捕食準備スタンバってますが⁉
皆さん、そろそろ食べる系の話終わらせて進めて欲しいんですが。
「許せっつったってなぁ。魚、オマエ腹ペコなんだろ? 前科ありゃ、信用度ってもんは簡単に上がらんもんだぜ?」
「いや~、いなげなことに追いかけとるとブドウが生えたり、タケノコが生えたりしたけぇ、腹は満たされたんじゃ」
「ああ、古事記の呪的逃走が発動したんだな」
「そがぁなら綺麗なおなごがやってきて聖水をジョバーとぶっかけて来たけぇ、出元に吸い付いて飲み干したんじゃ。鯉の吸引力はすごいけぇね。おなごもビクンビクン悦んどった」
「日本書紀の方かい! 最後の川は物理的に回避かよ!」
「オラには真似できんのうー。オラは田螺だから穴が好きじゃあ。だから穴に潜って蠢く方が喜ばれるんじゃー」
「おまえら変態じゃねーか!」
いやいや、なんで二ぴきとも成人指定方面に会話持ってくの⁉そのへんウォーリー関連のお話しでオナカいっぱいよ!
「すらいむさん、さかまとたみしはいつたべるの?」
まさかのベルさん調理待ちでした。
「だめよ、ベル。この二匹は食べられないから」
「えー、そうなの? ざんねん」 ショボーン
「ピ、ピヨ……⁉」 ガーン
「とりあえず、コイツらレギュラー枠には入らないから食っても問題ねぇと思うけどな」
「オラのことー酷い扱いじゃのう」
「わしを亡き者にすりゃぁ、全国の広島カープファンが黙っとらんよ。赤ヘル軍団(昭和原産)が報復にやってくんよ」
「カープだから広島ファンって、安直すぎじゃねーか」
今回、メタな発言も抑止なし風味だなぁ。
「ところでよ、タニシは良いとして。オイ、魚。おまえ鯉じゃなくて草魚じゃねーか。何気に種族騙るなよ」
「言ぅちゃぁいけんことを。草魚も鯉科じゃけぇ広義じゃぁ鯉じゃ。じゃけぇええんじゃ」
「あっそう(きょうみなし)」
スライムさんから興味が薄れたところで。
今回はこの辺で終わりでございまっするよ。
ちなみに、タニシと草魚はスタッフがおいしく頂きました。
「いやーオラ食われたことにーして貰いたくないのう」
「なんで、調理されとる前提なんか」
うっとうしいから。
「……」
「……」
スライムさん けろぬら(tau2)🐸 @keronura
★で称える
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