第2話「1万時間の法則」

家臣「早速ですが、その格好でこの辺を歩くのは物騒です!城下町には窃盗団もいますし、町を出ればスライム等の魔物にも出会でくわします」

そういうと家臣は青色のロングコート、ズボン、そして剣を渡した。


◆◆◆


数分後


正弘は家臣に貰った装備に着替えた。


正弘「なかなかカッコいいなこれ!RPGの主人公みたいだ!」


家臣「お気に召して頂き光栄です!今貴方様はレベル1です!魔王と直接戦うのであればレベル90は必要ですが、戦闘タイプの勇者様じゃないようなので、レベル10くらいを目指されてはいかがでしょうか?」


正弘「なるほど!レベルってどうやってわかるんですか?」


家臣「剣に装飾されている玉があるでしょう?そこに刻まれた数字がレベルでございます!」


正弘が剣をまじまじと見ると1という数字が刻まれているのがわかった。


正弘「じゃあ僕はレベル100を目指しますよっ!」


家臣は驚いた表情を見せた。


家臣「レベル100になるまでどのくらいの年月がかかるかご存知ですか!?」


正弘「1万時間くらいです!」


正弘は自身満々に答えてこう続けた。


正弘「1万時間の法則って知ってますか?」


家臣は首を横に振った。


正弘「世界的レベルの技能を身に着けようとすると1万時間が必要なんです!例えばビートルズは結成当初1万時間の練習をしたとか、ビルゲイツはマイクロソフト創設前に1万時間のプログラミングを行った等の逸話があります。最近では大乱闘スマッシュブラザーズの日本チャンピオンが1万時間以上練習したことをYoutubeで公言しています。」


家臣「恐れながら、知らない単語がでてきてよくわからないですが、1万時間必要という事はわかりました」


バーティ「正弘さんは物知りなのですね」


バーティは正弘に微笑みかけた。


正弘は照れて下を向いた。


正弘「1万時間は毎日7時間やって5年か!これなら十分に練習をしながら戦略を練れるな!」


正弘は剣を見つめ、そう呟いた。


家臣「初めての戦いであれば城下町を出てすぐの草原がいいでしょう!ナンジャクスライムやオンコウトカゲ等の弱いモンスターしかいません!」


バーティ「私もお供します!」


正弘「君も戦えるの?」


バーティ「はい!こう見えて剣士のレベルは10なのです!」


バーティは嬉しそうに答えた。


正弘「{俺より全然強ぇ〜…}」


◆◆◆


正弘とバーティは草原にやってきた。


正弘「おっ!早速トカゲみたいなやつが現れたっ!!」


正弘達の目の前にオンコウトカゲが現れた。


バーティ「あれはオンコウトカゲといって、スピードは速いですが、攻撃力は弱いです!なのでおくさずコンパクトに剣を振って下さい!」


正弘「こうかっ!」


正弘はコンパクトに剣を振ってオンコウトカゲにヒットした。


正弘「さすがに1発じゃ倒れねぇか!」


正弘「おらー!おりゃあー!うぉぉぉりゃーーー!」


正弘が攻撃を繰り返すとオンコウトカゲは倒れた。


正弘「やった!」


バーティ「やりました!この勢いでどんどん経験値を貯めましょう!」


正弘「OK!アドバイス、センキューな!」


正弘は剣の宝飾を見たがレベル1のままになっている。


正弘「さすがに1匹だけじゃレベルアップしねぇか……バーティ!俺は今日7時間くらいモンスターを倒すから、疲れたらいつでも帰っていいよ!」


バーティ「わかりました!頑張って下さい!」 


◆◆◆

1時間後


バーディ「はぉ、はぁ、正弘様!私はそろそろ帰ろうかと…」


正弘は汗を書いた色っぽいバーティに少し見惚れてしまった。


正弘「{少し汗ばんだ姿もクソ可愛いな………やべっ!煩悩を捨てろっ!}」


正弘「お、おう!また明日な!」


バーディ「はい!失礼します!」


◆◆◆


バーティは城へ戻った後、正弘は7時間きっちりモンスターを倒し続けた。

辺りはもう真っ暗になっている。


正弘「おらっ」


正弘はナンジャクスライムを倒した。


正弘「ふぅ〜、もうこの辺のモンスターはどれも一撃で倒せるな?」


正弘は剣の宝飾を見た。


正弘「レベル5かぁ〜、まだまだ先は長いな…」


そう言うと正弘は草原で大の字で寝そべった。

すると満点の星空がそこに広がった。


「この世界は文明が発達してないからか、星が綺麗だ……」


◆◆◆


城に戻るとメイドが正弘を待っていた。


メイド「お帰りなさいませ、正弘様」


メイドが笑みを浮かべながら正弘を出迎えた。歳は10代後半だろうか、大きな目にボブカットがよく似合う。


正弘「ただ…いま」


正弘は少し動揺していた。


メイド「今日から正弘様のお世話をさせて頂く、ハレプと申します!一生懸命頑張るなのです!」


正弘「こちらこそよろしく…{前にメイド喫茶に行った事あるが、その時の子より段違いで可愛い…しかもタダ}」


正弘は異世界のおもてなしに高揚していた。


ハレプ「部屋へ案内するなのです。こちらへどうぞ!」


ハレプについて行くと10畳ほどの机とベッドが置いてある部屋に連れていかれた。


ハレプ「明日は朝から王様と家臣達の会議に参加してもらいます!その他は自由なのです!」


そういうとハレプは部屋を後にした。


ベットに座り、正弘は部屋を見渡した。


正弘「ドラゴンと騎士が戦ってる絵が飾ってある!この世界にはドラゴンなんているのか…?」


しばらくボーッとすると突如睡魔が襲いかかり、正弘はベッドで横になって寝た。

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MBAホルダーが異世界に転生したら知恵の勇者として大活躍 吉岡真実 @incubatist

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